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【高岡御車山会館と高岡御車山祭】御車山の背景を知った方が楽しめる!

高岡御車山祭

高岡御車山祭(たかおかみくるまやま)を初めて見てきた。

今まで僕の中では曳山祭りといえば『新湊の曳山祭り』で、それしかしっかり見たことがなかった。

今回、高岡御車山祭を見て、地域によって曳山祭りも色々違うなぁと感じた。

高岡御車山祭とは、一体なんなのかちょっと調べてまとめてみた。

目次

高岡御車山祭とは

1588年に太閤豊臣秀吉が、御要成天皇と正親町上皇を迎えるときに使用した御所車。それを加賀藩初代藩主 前田利家が拝領し、二代藩主前田利長が高岡城を築くときに、町民に与えたのが始まりらしい。

 

重要有形民俗文化財・無形民俗文化財

高岡御車山祭の御車山行事は、国の重要有形民俗文化財・無形民俗文化財に指定されている。これは日本全国で5件しかない。

・高岡御車山祭[富山]
・京都祇園祭の山鉾行事[京都]
・高山祭の屋台行事[岐阜]
・秩父祭の屋台行事と神楽[埼玉]
・日立風流物[茨城]

 

ユネスコ無形文化遺産

高岡御車山祭の御車山行事は、2016年11月30日に[山・鉾・屋台行事]33件のうちの1件として、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。

高岡御車山を継承する山町

高岡御車山に関係する山町

御車山祭は、7基の御車山と御車山を先導する獅子頭「源太夫獅子(げんだいじし)」で成り立っている。その内訳は次の通りだ。

坂下町は、源太夫獅子(げんだいじし)」を保有。

通町、御馬出町・守山町・木舟町・小馬出町・二番町はそれぞれ1基の山車を保有。

一番町・三番町・源平町は、「一番街通」の山車を共有。

これらの10の町は、高岡御車山を継承することから「山町(やまちょう)」と呼ばれている。

二番町以外の6基の御車山は四輪なのだが、二番町だけは二輪だ。二輪ということは常に支えなければいけない負担がかかってくるし、揺れが他の町よりも激しいということに繋がる。でも方向転換はタイヤを持ち上げる必要がないので、他の町より楽だ。

また余談だが、それぞれの町内で御車山を維持していくお金を負担しているということも頭に入れておくといいだろう。

高岡御車山祭に関わる人たち

高岡御車山祭りは、多くの役割の人が関わって成り立っている。代表的な枠割は次の通りだ。

・山大工
・山役員
・曳き方
・鈴棒引き
・囃子方
・人形方

山大工や人形方、囃子方など見えないところでもしっかり役割を果たしている人がいる。それを思って見るとまたちょっと違う味わいがある。

高岡御車山祭の日程

高岡御車山祭は、毎年曜日に関係なく4/30に宵祭・ライトアップ、5/1に奉曳(ぶえい)が行われる。

4/30のライトアップは各町内の蔵の中で行われ、町を練り歩くことはない。

5/1の奉曳は、夕方で曳き納めるのでライトアップした御車山を見られるのは宵祭の機会しかない。

交通規制などの日程の詳細は『高岡御車山祭2017の日程や見どころと交通規制情報』を参照。

高岡御車山祭の行事日程

高岡御車山祭の巡業の様子

高岡御車山祭自体は4/30と5/1だが、全体の行事はそれだけではない。

 

1/25 年番引き継ぎ

高岡関野神社で高岡御車山保存会総会が開かれ、代表となる「年番」が引き継がれる。その年番の中から「会長」が選出される。

 

3〜4月

花傘作り

赤、黄、白の3色からなる花傘(菊花)は、約2000枚もの和紙を使って作られている。制作期間は約2ヶ月、雨に濡れると1年、濡れなくても2年で作り替えなければならない。

囃子の稽古

笛、太鼓、鉦(かね)などの囃子方の稽古が始まる。

 

4/3 与四兵衛祭

高岡関野神社境内の摂社前で、御車山の由緒を守った義人である津幡屋与四兵衛たたえる祭りが開催される。与四兵衛祭に続き行われる山町間の打ち合わせで、御車山祭の詳細が決定する。

 

4/30 宵祭

蔵出し

高岡関野神社境内下の山蔵から、地山や装飾具が運び出され、各町の「山宿」前に運ばれる。

山宿での飾りつけ

山宿で、人形・幔幕(まんまく)が飾りつけられた後、宵祭が行われる。

御車山ライトアップ

山町内に設置された臨時の山倉で、御車山がライトアップ展示される。

二番町の神迎え

夕方、二番町では山役員と提灯を持った子ども達が、高岡関野神社へ熊野神の「御弊」と「神様の御魂」を迎えに行く。お祓いをした後で、神職と共に山宿で入魂式が行われる。

 

5/1 祭礼当日

組立て・飾りつけ

まず心柱が通され鉾留が取り付けられる。次に花傘、高欄や本座人形、幔幕などが取り付けられる。早朝から各山宿前で組み立てられる。

出発(修祓)

御車山出発の前に修祓(しゅうばつ)、清めの儀礼が行われる。

勢揃い

正午12時に片原町交差点に源太夫獅子と7基の御車山が横一列に勢揃い。山町理事20人が市長を前に整列し、高岡御車山保存会会長と市長が挨拶をする。

奉曳(ぶえい)

御車山は鈴棒引きと山役員を先頭に、1基に山車に約50人が付き従ってゆっくりと進む。

所望

奉曳の途中、特別に功績があった人の家や山役員宅の前で、御車山を玄関に向け神楽を奏する「所望」を行う。軒先に立てられた茶地に梅鉢を染め抜いた小旗が目印。

曳納

高岡御車山祭の曳納

18時、高岡関野神社前で曳納の奉納が行われ、その後それぞれの山宿へと帰っていく。

富山県内の曳山

富山県内の曳山

高岡曳山会館にある展示の記述によると、富山県の曳山の発祥は、江戸時代に高度な工芸技術が集まっていた高岡の御車山だとされているらしい。

そのせいもあってなのか、富山県の西部に曳山祭りが多いのだろう。

というか、富山県内に曳山文化を引き継いだ祭りが16もあるのを初めて知った。初めて聞いた祭りもちらほらあるな…。

1.祇園祭り[氷見市]
2.伏木曳山祭[高岡市]
3.二上射水神社築山行事[高岡市]
4.高岡御車山祭[高岡市]
5.石動曳山祭[小矢部市]
6.出町子供歌舞伎曳山祭り[砺波市]
7.福野神明社春季祭礼曳山[南砺市]
8.城端曳山祭[南砺市]
9.大門曳山まつり[射水市]
10.新湊曳山まつり[射水市]
11.放生津八幡宮築山行事[射水市]
12.海老江曳山まつり[射水市]
13.岩瀬曳山車祭[富山市]
14.越中八尾曳山祭[富山市]
15.高砂山願念坊祭り[富山市]
16.たてもん祭り[魚津市]

高岡御車山会館

高岡御車山会館

高岡御車山祭について知りたいのであれば、高岡御車山会館に行くのがいい。

実際に僕も御車山祭を見ていて、いろいろ知りたくなったのでここによって情報を仕入れてきた。

高岡御車山の模型

中に入ると高岡御車山祭の山車の小さい模型が飾られている。その他にも車輪の模型なども飾ってある。

これらは無料で見られるスペースに飾ってあるのだが、有料の展示室にはもっと詳細な情報が展示してある。

高岡御車山の山車の保管場所

中に入ると大きなガラスケースが置かれている。まさに高岡御車山祭りの最中だったので中は空だったが、祭りの日以外はここで御車山を見ることができるようだ。

その他にも高岡御車山祭りのシアターや、からくり人形の体験スペース、記念撮影ができるスペースなど、高岡御車山祭りについての様々な体験と知識を得ることができる。

高岡御車山会館
住所:高岡市守山町47-1
電話:0766-30-2497
開館時間:9:00~17:00
休館日:火曜日(火曜日が祝日のときは翌平日)、年末年始
有料ゾーン観覧料
一般(高校生以上):300円
団体(20名以上):1人につき240円
※満65歳以上の一般個人‥20%割引
障がい者手帳をお持ちの方は無料(付添人1名を含む)

高岡御車山祭を見た感想

高岡御車山祭を実際に見てきた感想を端的にまとめてみた!

 

車輪の軋み音

新湊の曳山祭り』しか知らない僕は、高岡御車山祭を見てまず一番感じたことは車輪の軋む音だ。

「ギー、ギー」とかなりの音を立てている。御車山ごとに音が違い、「ここの町の山車の音が一番いい」と言っている人もいた。

 

曳き手の活気

威勢のいい特別な掛け声は、ほとんど聞こえなかったように思う。タイヤの軋み音がかなり大きく聞こえるのはそのせいもあるかもしれない。

「イヤサー、イヤサー」と盛り上がり、活気満点の新湊の曳山祭りとは、かなり対照的にわりと静かな祭りだと思った。

 

方向転換は車輪を持ち上げる

高岡御車山祭では曲がり角などで方向転換をする場合、前輪を全員で持ち上げて山車をほとんど引きずることがない。

新湊曳山祭りでは、「ガガガー」という音と共に、引きずって方向転換する。迫力満点の曲がり角が見どころになっているが、高岡御車山祭はかなり静かで上品な感じがした。

 

山車は信号で止まる

信号で止まる高岡御車山祭

高岡御車山祭は、高岡の中心地に近いところを巡業するためなのか、大通りは信号ごとに1基ずつ順番に横断していた。

交通量の関係で仕方がないのかもしれないが、祭りって基本的に全て交通規制をかけるものだと思っていた僕には、ちょっと意外な風景だった。

 

屋台がたくさん出ている

高岡御車山祭の屋台

JR高岡駅前の通りは屋台で埋め尽くされ、人通りもかなり多かった。

高岡関野神社の境内にも屋台がたくさん出ていて、多くの人たちが飲食やゲームを楽しんでいた。

まとめ

人生初の高岡御車山祭。

掛け声などの熱気があまり感じられなくて、『新湊の曳山祭り』しか知らない僕にはなんだかとても上品な曳山祭りのように感じた。

人と多さや屋台で盛り上がる若者たちの様子を見ていたら、富山市でいうところの山王祭みたいなものなのかな。想像以上に人が多かった。

歴史的な背景などをもっと掘り下げてみると、趣深い祭りな気がする。ただ御車山を見るより、事前に御車山会館を見ておくことで楽しさは倍増する。

高岡御車山祭

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