えんとつ町のプペルの制作過程
分業制で作られた絵本
絵本「えんとつ町のプペル」は、にしのあきひろさんとモノ作りの達人33人が協力して作り上げた業界初の絵本です。
クラウドソーシングというインターネット上で制作の協力者を募り、4年半かけて制作されました。絵本は今までの常識では、「1人で作るもの」でした。しかし、映画のように多くの人が力を出し合い、4年半かけて協力して作り上げたのです。
その監督が西野亮廣さん。
多くの人をまとめ上げるのはかなり大変だったと思いますが、その甲斐あってか、間近で見るとびっくりするくらい細かい描写が施されています。
売り方までデザインされた絵本
西野亮廣さん曰く「絵本えんとつ町のプペルの目標売上冊数は100万部」。現時点ですでに、絵本では大ヒットといえる27部以上を売上げています。
というのも、この絵本えんとつ町のプペルは、制作の段階で売り方まで考慮して作られているのです。
もし1人で絵本を制した場合、その制作者の家族や親戚はおそらく数冊購入してくれるでしょう。この考え方でいくと、2人で制作した絵本は2人の家族や親戚が購入してくれます。
では33人で制作した場合はどうでしょうか?1人で制作した場合の33倍売れる可能性があるのではないでしょうか。
その仮定が正しいかどうかは分からないのですが、普通絵本の制作者は「面白さ」を考えはしますが、「売る」ことまで考えて作らない。絵本えんとつ町のプペルは、内容が面白いことはもちろん、実際に「売る」ことまで工夫された絵本なのです。
西野亮廣さんが自身で販売もしている絵本
絵本の初版発行部数は、今までの実績などによって決まるようだ。
そこで西野亮廣さんは、「発売日までに自分で1万部買うので、初版を3万部にしてくれ」とかけあったようです。これについては、「自分で売上部数を水増ししている」というような意見もあるようです。
しかし、自腹を切って売上部数を水増ししても、西野さんにとってはほぼメリットがない。逆に最初に1万部分の売上が確定するというのは、出版社にとってはとてもありがたいこと。
そう考えると、最初に著者自身が自腹を切ってある程度の部数を買い取り、著者自身でそれを販売するということは、とても面白い試み。今までそんな方法をとった絵本作家はいないのではないだろうか?
自分で1万部買い取るという行為は、販売を出版社だけに任せるのではなく、「自分自身でも売るという覚悟」がないとできない行為。「100万部売る」という目標に対して、真剣に達成を考えた上での行動。そんな著者自身の想いが込められた絵本です。