えんとつ町のプペル展で、富山に明るい話題を!
富山の暗いニュースばかり流れるのが悔しかった
2016年、富山県では大きな事件が起こった。
それは「富山市議会議員の政務活動費不正受給による相次ぐ辞職」だ。
日常的に、富山のことが全国ニュースで流れることはほとんどないのに、この時ばかりは連日のように富山が全国ニュースを賑わせた。
富山の人はよく「富山には何もないちゃ!」と言う。
僕も初めはそう思っていた。東京に出て7年ほど暮らして、富山に戻ってきた。ずっと住んでいた時には全く気づかなかったが、一度富山を出て戻ってきてみると、富山の自然や空気がとても生きやすいと思った。
そしてなかなか気づきにくい富山の暮らしを発信しようと、『とやま暮らし』というブログを始めた。ブログを始めてすぐの時期に、上の不正事件が起こった。
妙に悔しくて、「このままではいけない!」と思ったのが始まりだ。
富山市議会議員に立候補しようかと思った
市議会議員という政治の世界で何が起こっていて、どんな要素があってこのような不正受給が起こったのか知りたかった。
そこですごく単純な思考で、「富山市議会議員のことを知りたいなら、市議会議員になるのが一番早いし効率的だ」なんて想いで、立候補を考えた。
でも特にやりたい政策もなく、現実を知りたいだけで立候補するのは「なんか違うな」と思い直した。
しかし一度火がついた「何かやりたい」という想いを無理やり鎮火させると、絶対に後悔に繋がることを知っていたので、何かないかと探していた。
何かに挑戦しなければならなかった
そんな時に目に入ってきたのが、キングコング「西野亮廣」の活動と考え方だ。
SNSを通じて、西野亮廣さんの常識に捕らわれない考え方がとても面白いと思った。
例えば、今回の展示の元となる絵本「えんとつ町のプペル」は、30人以上の人によって制作されたものだ。これは、「共犯者を作ればそれだけ絵本が売れる」という考え方に基づいていると僕は考える。自分で作った作品は、少なくとも家族は購入してくれる。だったら、大勢で作れば少なくとも関わった人の分、多くの人に売れるだろうというもの。
作って終わりではなく、制作から販売までを視野に入れた取り組み。とても面白い。
また西野亮廣さんは、ネット上で資金を調達するクラウドファンディングという方法をよく利用する。西野亮廣さんはクラウドファンディングを利用して4000万円以上を調達している。
そのような取り組みの支援者を集める方法も、とても理にかなっている。全体にただ投げかけるのではなく個人的にアタックするのだ。どういう意味かというと、10000人に同じ呼びかけをするのではなく、1人に呼びかけることを10000回繰り返すのだ。
僕たちは何かを広報する時に、いつの間にか〇〇〇〇人に届く可能性があるということで、Facebookなんかで同じ文面を一斉送信したりする。雑誌媒体で大勢に同じ文面で呼びかける。これはもちろん悪いことではないが、例えば1000人宛に書かれたラブレターに誰が心を動かせれるかということだ。ラブレターは、特定の1人に書かれた想いだからこそ心を動かす。
僕はキングコングのファンでもなんでもなく、ただ西野亮廣という人物の考え方がとても面白いと思った。西野さんにはもちろん会ったこともないし、メディアで見る限りは怖い人という印象しかないw
クラウドファンディングは富山を変える可能性がある
このようにして知った西野亮廣さんの考え方と、クラウドファンディング。
今まではお金がないと出来なかったことが、インターネットを通じて資金を集めて実現できる可能性がある。この事実はとても画期的なことだと思えた。
例えば富山という田舎の資源は、「水、魚、空、山」といった自然だと思う。しかし、ずっとそれに触れている我々富山県民は、それらのモノが当たり前にあるので、それらへのありがたみを感じづらい。家族がウザいと感じるのと同じだ。
しかし、都会の人間からみれば「自然」は、とても価値のあるもの。僕らが感じる「富山は何もない」という感覚は、都会人から見たらもしかしたら最高の贅沢である可能性がある。
そのような価値観の違いを利用して、何かを仕掛けられるのがクラウドファンディングではないのかと感じた。
「クラウドファンディングを知りたければ、クラウドファンディングをすればいい」僕はバカなので、思考はいつも単純で百聞は一見に如かず。
人生初のクラウドファンディング
ダメ元で人生初のクラウドファンディングに挑戦してみた。
今回のきっかけとなった西野亮廣さんの「えんとつ町のプペル展」と「西野亮廣トークショー」を開くための資金集め。
『富山に明るい話題を!キンコン西野亮廣「プペル展」を富山県内各地で開催したい!』
未知のものへの挑戦。怖さばかりで、たぶん達成はしないだろうと思っていたのだが、なんと達成してしまった。西野さんの真似をしてツイッターなどを利用して、興味がありそうな人へ直接メッセージを送ったりした。多くの人にウザがられて迷惑をかけもした。
西野さん自身の知名度やファン、協力してくれた仲間の貢献度が全てなのだが、一般人の僕の企画を支援してくれる人がいるなんて思いもしなかったので、本当に現実なのかと理解不能な感じがした。
えんとつ町のプペル展in富山は、みなさんのおかげ
富山でえんとつ町のプペル展を開催できるのは、その時のクラウドファンディングで支援してくれた人のおかげだ。
その人たちの資金がなければ、開催は出来ていない。その時に集まった実行委員会のメンバーがいなければ動き出せてもいない。
支援してもらった気持ちは、次に繋げなければいけない。富山で1人でも多くの人が繋がるように努力しなければならない。
「誰かのおかげ」という気持ちが、もしかしたら富山の活性化に繋がるのではないかと今になって思うようになった。例えば、今回のえんとつ町のプペル展in富山、僕たちが主催する太閤山ランドの回の料金は「お気持ち」だ。
分かりにくいと批判もあるだろうが、今回の企画のために自分の時間を使って準備に当たってくれている人がいる。給料をもらっているわけではなく、逆にお金を払って手伝っている。税金を使って開催する無料のイベントではない。誰かが汗を流しているから開催できるイベントだ。
好きでやっているんだろと言われればそれまでで、誠に手前勝手なのだが、展示や運営に当たっているスタッフの苦労などを少し想像してもらえるととてもありがたい。
また西野亮廣さんのトークショーも高校生以下は無料だ。これは他の大人の参加者のおかげで無料で見られるのだ。理想かもしれないが、そのように考えると富山のみんながいろんな部分で繋がっているように思えるのではないだろうか。
コンピュータの発達が著しく、人間の仕事がどんどんなくなるこれからの時代。人口がどんどん減っていくこれからの時代。人と人の繋がりや、常識に捕らわれない西野さんのような思考と行動力が、何かしらのヒントをくれると僕は思っている。