藤城清治「光よろこびメルヘン展」富山県立近代美術館が、光の世界になっていた。

藤城清治「光とメルヘン展」

藤城清治のLEDを使った光る芸術作品の世界が、富山県立美術館にできあがっていた

はじめに言っておくと、
藤城清治「光よろこびメルヘン展」は行った方がいい!
1400円とちょっと高いけど、絶対満足する!

しなかったら…ゴメンなさい!

目次

藤城清治の魅力を伝える術を禁じられた

僕は藤城清治を全く知らなかった。

このポスターを見ても正直「いつものような美術展をやってるな」と、全然惹かれなかった。

あなたはこれを見てこの美術展に行く?藤城清治を知らんかったら行かんよね?

実際に行ってみると下のような光を利用した作品であふれている。

藤城清治の影絵

画像引用:ギャザリー

諸事情により閉館1時間前で、200以上ある作品全てをゆっくり見れなかったが、それでもめちゃくちゃ満足した。

全部しっかり見るには2時間以上は必要だ。

ここまで良かったのは久しぶりだったので、なんとか富山暮らしの皆様に伝えようとしたのだが、美術館は全面撮影禁止だった…

せめてずっと遠くから展示室の入り口を撮影しようとしたが、展示室を出ても禁止だったのは誤算だった。

もちろん作品の著作権などがあるのはわかるが、ここまで禁止されるとiPhoneとネットだけが友達の僕は、この感動をどう伝えたらいいのだろうか?

ポスターに書いてある「光」という言葉だけでは、正直伝わらない。

藤城清治の作品は、細かい切り絵を後ろからLEDを使って光らせ、セロファンや紙でその光の透過の違いをうまくコントロールしているのだが、こんな言葉でも伝わらない。

1つでも、遠目でもいいから、写真を見せるのが一番だと思う。

藤城清治を知っている人は、その名前だけで見に来る。でも美術館的にも藤城清治本人的にも、知らない人に作品を見てもらうことが美術展を開く目的なのではないだろうか?

著作権と集客の難しさやジレンマを感じた。

藤城清治とは?

展示室に入ると、まず藤城清治の挨拶が書いてある。

今年92歳で、今回の富山で美術展をするにあたって「雨晴海岸」と「おわら風の盆」の作品を新しく制作したという。

その文字も独特で、とても優しい雰囲気がその文章から伝わる。

何より92歳というのがすごい。

展示物の中には、藤城清治が実際に作品を制作しているムービーがあるのだが、かなり細かい作業だ。1mmほどの穴を数百以上カッターで切って作りだしている作品もある。

92歳で、これだけの作業ができる身体能力と体力に感心するばかりだ。

展示されている藤城清治の作品は6種類

さらっとしか見れなかったが、今回の藤城清治「光よろこびメルヘン展」で展示されている作品は、

1.影絵になる前の絵画
2.影絵(切り絵)の原版
3.影絵のデジタル原画
4.影絵と水と鏡のコラボ
5.藤城清治についてのムービー
6.影絵とプロジェクションマッピング

大きく分けて以上の6つだったように思う。

ほとんどは、2.影絵の原版なのだが、3.影絵のデジタル版も多かったように思う。

原版とデジタル版

デジタル版という呼び方で正しいのかはよく分からないが、ここでは一旦そう呼ばせてもらう。実際に紙やセロファンなどがガラス内に貼ってある原版ではなく、それを何らかの方法で一枚にまとめているようなものだ。

実際に切った紙の原版なのか、デジタル版なのかは、かなり近づかないとわからないくらいデジタル版のクオリティが高い。

物販コーナーでデジタル版の作品を販売していたが、十数万円はしていた…

影絵になる前の絵画

藤城清治のムービーを見る限り、その制作はまず絵を描くことから始まる。それを元に切り抜いて、セロファンなどを切り貼りしていく。

その影絵になる前の絵も数は少なかったが展示してあった。実際に影絵になったものの他に、自分の愛猫の絵もあった。

ムービーでは、制作作業をする机の上を猫が自由に行き来していたので、藤城清治はよっぽど猫が好きなのだと思う。

影絵と水や鏡

これは、序盤に添付した写真を見てもらえばよく分かると思う。切り絵を後ろから光で照らすのだが、それを水面や鏡を使って反射させる作品だ。

藤城清治の作品と水や鏡の相性はとても良い。

その光の作品は、普通に見ても綺麗なのに、鏡や水を使うことでより美しさを増す。そしてただ水面に映すのではなく、水面に映ったら綺麗なものをもちろんしっかりと計算して作られている。

影絵とプロジェクションマッピング

影絵の原版をデジタル加工してムービーにして、それをプロジェクションマッピングで映し出す。

プロジェクションマッピング
プロジェクタを使用して空間や物体に映像を投影し、重ね合わせた映像にさまざまな視覚効果を与える技術、およびパフォーマンスのこと。(wikipedia)

現代のデジタル画像の技術は驚くほど高くて、画面に映っているものが、書かれたものなのか映像なのかがもはや見分けがつかない

まるで切り絵が動き出したように感じる。これには、またしても感動させられた。

まとめ

僕はあるキッカケから、藤城清治の美術展はもはや「光の世界」だというような説明を目にした。ネットで調べたら偶然富山県近代美術館で作品展をやっていたので、早速見に行ってきた。

偶然「光の世界」という説明を見ていなくて、あのポスターをちらっと目にしただけだったら絶対にこの世界を知ることはなかった。

藤城清治というこんなにいい美術展をやっているのなら、富山近代美術館にはもっと分かりやすく伝えて欲しかった

あなたも是非、藤城清治の光の世界を覗いてみてほしい。

僕のこの記事を通じて、この光の世界の良さを知ってしまう人が一人でも現れたら個人的にとても嬉しい。

藤城清治「光とメルヘン展」2

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藤城清治「光とメルヘン展」

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