禁止されると見たくなるという状況の中に、人間の本能に基づく子育てのヒントがあるように思う。
富山で開催されたイベント『ひとのまでの場づくりんぐ』や西野亮廣 (著)「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」を読んで以前から自分で思っていたことが少し固まったので、まとめてみた。
子育てに正解はないが、考え方の一つとして読んでみてほしい。
楽しいものを禁止すると逆効果
あなたは、子供がゲーム・スマホをする時間やテレビ・漫画を見る時間を制限したことがあるだろうか?
僕の実感として子育てをする多くの親御さんが、そのような制限を設けた経験があるのではないかと思う。
どれだけ成果があったのだろうか?
ここで、ちょっと考えてみてほしい。
自分が小さい頃、親にテレビや漫画、ゲームを禁止されたとき、素直に止めただろうか?
親が寝た後で、こっそりとそれらのことをやったことがある人は意外と多いのではないだろうか?
また、ちょっと考えてみてほしい。
お酒やタバコは身体に悪いと知りつつもなかなか止められない。お菓子やスイーツはダイエットの敵だと知りつつもなかなか止められない。パチンコなどのギャンブルもお金がなくなると知りつつもなかなか止められない。
これは、どうしてだろうか?
それは、それらが魅力的で楽しいからだ。
さらに禁止されればされる程、やりたくなるのが人間の本能だ。
「立ち入り禁止」の看板の向こうに何があるのかすごく気になるし、「未成年者閲覧禁止」なんて書かれていたら気になって仕方がない。「絶対に押すなよ!」と言われれば、それは押せということになっている。
禁止されると逆にやりたくなるのは、もしかしたらアダムとイヴが禁断の実を口にしたことからきている本能なのかもしれない。
子育てをするときは、禁止されればされる程、その反動でやりたくなるということを理解しておいた方がいい。
ここで、「かと言って何も言わなかったら永遠にゲームを続ける」という声が聞こえてきそうだ。
ではどうすればいいのだろうか?
やれと言われるとやりたくなくなる
例えば「仕事しろ!」「家事をちゃんとやれ!」「勉強しろ!」と言われたときの気持ちを思い出してほしい。
僕の場合は、途端にやる気がなくなる。
まさに今からやろうとしていたときなんかに言われると特にだ。あなたはどうだろうか?少なからず僕と似たようにやる気がなくなった経験はあると思う。
子育てにこの法則を使えないだろうか?
ゲームばっかりする子供に、勉強ではなくゲームを強制するのだ。
この作戦では、徹底的に強制するということが重要だ。
軽い禁止や何も言わなかったら、子供はずっとゲームをする。これは、親に叱られることを知りつつやっていることに、ちょっとしたスリルもあってより楽しいのだと思う。
親が帰ってきた瞬間にゲームを隠すなんて場面は何度も目にしている。
だから、中途半端ではなく朝起きて時間があったら、夜ご飯を食べた後に時間があったら常に「ゲームをやれ!」と言い続ける。寝そうになったら「頑張ってゲームをやれ!」と言い続ける。
子供の立場を想像すると、最初は「ラッキー」なんて思うかもしれないけども、途中からゲームなんてやる気せんくなる気がする。
イライラの正体はこれ
子育て中は、子供が全くいうことを聞かない、呼んでも無視するなど、イライラすることが多いと思う。
なぜだろうか?
これは、期待感があるからだ。
親の中でこうなってほしいという考えの枠があって、子供がそこから外れた行動をするからイライラする。
思い出してみてほしい。生まれたばかりの子供がずっと泣いていたり、食べ物をこぼしたりしたときにイライラしただろうか?
夜泣きなどが続くと多少イライラはしたかと思うが、たぶん仕方ないと思ってそこまでイライラすることはなかったのではないだろうか?
成長すると共に周りの子と比べたり、本などに書いてある平均的な成長と比べて遅れていたりすると、自分の期待通りになっていないことにイライラする。
さらに、ゲームやテレビの禁止、1日最低でも1時間勉強する、なんて強制的なルールを設定していると、それらがさらにイライラの要因になる。
守れる可能性が極めて低いルールを作るなんてことは、自分自身でイライラの種を蒔いているようなものだ。
まとめ
・子供は、楽しいことを禁止されると反発して、ますますそれをしたくなる。その事実は大人の自分が一番身を持って知っている。
・強制されるとやる気がなくなる法則を子育てに利用する。
・イライラするのは、期待しすぎるから。
理屈では分かっていても、なかなか上手くできないのが子育て。
でも子供が言うことを聞かないときや、イライラしたときに、その原因がちょっとでもわかっているとフッと落ち着けたりする。
富山県は、すぐ近くに自然があふれている。自分の息抜きもかねて外に行くのも大切。
自然の中に、ゲームよりも面白いことを発見すると驚くほど夢中になったりする。上手くハマると自然の中で様々なことを学びとりながらスクスク育ってくれる。
子育ては大変だと思いますが、頑張りすぎないように頑張ってください☆
冒頭でちょっと話をした西野亮廣 (著)「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」。ちょっとしたモノの見方が変わるとても面白い本です。Amazon1位で発売直後から売り切れ状態だったのですが、ようやく安定的に手に入るようになったみたいです。
子育てに限らずちょっと思考に詰まったという方にも役に立つと思いますので、ぜひ手にとってみてください。