2017年5月に出版された堀江貴文著『多動力(たどうりょく)』。
今さらながら読んでみた。どんな本だったのか忘れないように、目次と感想、気になった部分などをまとめておく。
多動力
いくつもの異なることを同時にこなす力
目次をななめ読みしただけで、一部の人には結構過激的で賛否両論起こるだろうなぁと感じた。
多動力の目次ななめ読み
第1章 1つの仕事をコツコツとやる時代は終わった
寿司屋の修行なんて意味がない
→もはや「ノウハウ」に価値はない。
三つの肩書きをもてばあなたの価値は1万倍になる
→あなたの代わりがいる限り、あなたの値段は上がらない。
第2章 バカ真面目の洗脳を解け
ベストセラーはコピペ本
→「全部自分でやらなければいけない」という思いこみを捨てよ。
手作り弁当より冷凍食品のほうがうまい
→「手抜きをしてはいけない」という思いこみも捨てよ。
見切り発車は成功のもと
→すぐに始めてしまって、走りながら考えよう。
第3章 サルのようにハマり、鳩のように飽きよ
まずは、一つのことにサルのようにハマれ
→「ハマる」ことも才能だ。バランスなんて考えず、一つのことに熱狂しよう。
飽きっぽい人ほど成長する
→「飽きる」ということは、成長の証だ。どんどん飽きて新しいことを始めよう。
第4章 「自分の時間」を取り戻そう
経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない
→人生において「やらないこと」を明確にしよう。
電話をかけてくる人間とは仕事をするな
→技術の進化に逆光して「人の時間」を奪ってはならない。
大事な会議でスマホをいじる勇気をもて
→他人の目を気にするのをやめないと、「自分の時間」は生きられない。
おかしなヤツとは距離を取る
→「自分の時間」を生きるためには「付き合わない人」も明確にしよう。
仕事を選ぶ勇気
→嫌な仕事を断る。大丈夫、仕事は逃げない。
『君の名は。』がヒットした理由
→現代人は「無駄な時間」を我慢できない。
第5章 自分の分身に働かせる裏技
自分の分身に仕事をさせる技術
→「原液」を作れば、寝てる間も分身が勝手に働いてくれる。
教養なき者は奴隷になる
→太い幹となる「教養」があれば、枝葉は無限に伸びていく。
知らないことは「恥」ではない
→専門外の情報や知識は聞けばいいし、ネットで調べれば一瞬だ。
なぜ、デキる人は「質問力」が高いのか
→いい質問ができなければ、いいアイデアや必要な情報は引き出せない。
99%の会議はいらない
→会議は短く。
第6章 世界最速仕事術
すべての仕事はスマホでできる
→あなたが忙しいのは、仕事が多いからではない。
仕事の速さはリズムで決まる
→大量の仕事をこなすために、必要なのは「速度」ではなく「リズム」だ。
ヒマな人ほど返信が遅く忙しい人ほど返信が速い
→「一工夫」するだけで仕事の渋滞は解消する。
刑務所にいても一度もメルマガを遅らせなかった秘訣
→どんな過酷な状況であれ、与えられた条件の中で最大限の効率化を図る。
1晩10軒以上をハシゴしろ
→会議もディナーも猛烈な勢いでハシゴしよう。
仕事の質は睡眠で決まる
→よく寝てこそ、超人的なスケジュールをこなすことができる。
さよならストレス
→本音で生きればストレスは溜まらない。
第7章 最強メンタルの育て方
恥をかいた分だけ自由になれる
→はっきり言おう。誰もあなたには興味がない。
小利口はバカに勝てない
→リーダーはバカでいい。
第8章 人生に目的なんていらない
永遠の3歳児たれ
→「多動力」は大人になるにつれ失われていく。
資産が人をダメにする
→持っているものを何とか生かそうとすることで、あなたの動きは遅くなる。
ハワイに別荘なんてもつな
→予定調和の幸福を求める人生はつまらない。
人生に目的なんてない
→今を楽しむことだけが、すべてなのだ。
多動力を読んだ感想
今まで言われていた常識とは一線を画すような、過激的ともいえるホリエモンの意見。それが面白い。
30代の自分にとっては、どちらも分かるなぁという部分が多かった。
新しいことはやはり怖いし、「どうなるか分からない」という不安とリスクからなかなか行動に移せない。そんな中で、ホリエモンという人間がズバズバと自分の意見を述べて、突き進んでいっているところに読み応えがある。
ネットなどを通じて、他人の評価や誹謗中傷が目に見える化されている昨今、ホリエモンの意見は、明らかに何かを隠して発言している政府などよりよっぼど信用が持てるし気持ちいい。あ、内容への賛否は別にしてね。
サラッと読めるし、年配の方も若者もそれぞれの立場で刺激をもらえる本だと感じた。
気になったフレーズや感じたこと
寿司屋の修行なんて意味がない。
しょっぱなからぶっこんできてるが、これは実はみんなが心のどこかで思っていたことなのではないだろうか?
皿洗いだけ何年もやって、ようやく次のステップに進めるというような「石の上にも三年」的な話は、マスコミや日本人は好きなのかもしれない。見て盗むことも大事だが、これだけテクノロジーが発達した現在、ほとんどのことは科学的に説明できる。数ヶ月でマスターできる寿司学校を卒業して、ミシュランに載っている寿司屋もある。
有名ラーメン店でも、自社のスープの味を分析してもらい誰でも簡単に作れるようにし、海外展開をはかっているケースもある。
全てに当てはまることではないが、時代が変わっていることを理解しておかないといけない。
ベストセラーはコピペ本
この『多動力』自体もそうだが、ホリエモンの著書はライターと編集者がインタビューをしてそれをまとめて本にしている。
つまり、ホリエモンが一字一句推敲して出版している本ではない。ゴーストライターとか騒ぐ人もいるかもしれないが、これは分業制なのだそうだ。
これも昔ながらの考え方と、今時の考え方で賛否が分かれる部分だろう。
でも、漫画も映画も1人の力で作られたものではない。大勢の人が自分の得意な部分を持ち合って、完成されたものだ。ワンピースでもルフィが「俺は料理ができねぇ、剣も使えねぇ〜〜〜〜」ってなことを言っていた。
苦手な部分も全て自分でやって完成した作品と、自分の苦手な部分を得意な人に任せた作品、どちらが良い内容になっているだろうか?答えは後者だろう。
「バカ真面目の洗脳を解け」が示すとおり、価値観を変えていかなければならない。
一つのことにサルのようにハマれ
これも面白い。この言葉を聞いて一番に思い浮かんだのが、ゲームばっかりやって起こられている子ども。
ゲームに対しては特にかもしれないが、子どもは何にでもハマりやすい。時間を忘れ、夢中になって取り組む。塾で勉強を見ていても、一つの教科だけ楽しそうに夢中になって勉強をする子もいる。
だけど、日本の教育は一つのことに特化させることを嫌う。それがダメになったときのリスクを優先させるのだろう。受験でも1教科だけ良くても、受からないシステムになっている。
だから、親は何かに夢中になりすぎる子どもにブレーキをかける。
日本からジョブズのような天才が生まれにくい理由は、ここにあると思う。好きでやっていることと、イヤイヤやっていることでは、その吸収力には雲泥の差がある。
人生は有限、効率よく能力をあげた方がいい。そして、ネットの発達した現代は、オタクのように一つの能力に突出した人間の方が価値がある。
「自分の時間」を取り戻そう
ホリエモンは、掃除などの嫌いなことはしないらしい。掃除は1時間2500円ほど払えば、やってくれるサービスがある。
自分の1時間の価値がどれくらいなのか?
この観点がすごく大事なのだろう。できる人というのは、その計算がすごく上手い。自分以外でもできることは人に回し、自分にしかできないことに集中する。その振り分けができる。
アホみたいに何も決まらない会議、いつでも電話してくる人間、それが生み出す価値はどれくらいだろう?
自分の時間の価値、これは一度しっかりと考えた方がいい。
さよならストレス
ストレスに悩まされることはよくある。でもそのとき、なぜストレスを感じるのだろうか?
楽しいことや、やりたいことをやっているときは、ストレスなんて感じない。自分の人生を、自分の好きなことで埋めてしまえばストレスなんて発生しない。
現実には難しい部分もあるけれど、それは何かに依存しているからかもしれない。嫌な人との付き合いは切ってしまえば、それだけでストレスはなくなる。でも、簡単に切れないのは、その人と繋がっていないと自分にとってマイナスがあったりするからではないだろうか?
そういうのを失くしていければ、自殺者なんて随分減るだろう。
コンマリさんの『人生がときめく片付けの魔法』も、これに近い考え方だと思う。
人生における断捨離。人生をトキメクことでいっぱいにすればきっと楽しいはずだ。
まとめ
堀江貴文『多動力』。
人生にちょっとした刺激をくれるいい本だった。活躍している人の行動や思考、やっぱりおもしろいよね。
ホリエモン自体が好きかどうかは別にしてw まだ読んだことのない人は、一読しても損のない本。値段の分の価値は十分にあった。