2017年4月8日、ものづくりの町高岡にファクトリー アートミュージアム トヤマというメタルアートを展示する美術館が誕生した。
町工場にできたちょっと変わった小さな美術館。
実際に行ってフジタの代表の梶川貴子さんに話を聞くこともできたので、分かったことをちょっとまとめてみた。
FACTORY ART MUSEUM TOYAMAとは?
ファクトリー アートミュージアム トヤマは、現場クリエイターたちの創作作品が集う、高岡市福岡町の町工場の小さな美術館だ。
日々ものつくりの現場で働く技術者が、切削・溶接・板金などで作り上げたメタルアートが展示されている。
世界にひとつだけの、作者の想いが詰まった作品が見られる。
FACTORY ART MUSEUM TOYAMAの成り立ち
ファクトリー アートミュージアム トヤマは、その建設資金の一部をクラウドファンディングによってまかなっている。
そのクラウドファンディングプロジェクトは、2016年にZenmonoというプラットフォームを利用してスタートした。
目標金額は80万円だったが、2016年3月18日の終了時には、109人の支援者によって、205万6000円もの資金が集まり目標額を大きく上回る257%の達成率となった。
世界で一つ 町工場にメタルアートミュージアムを作りたい!
ファクトリー アートミュージアム トヤマの入り口には、支援企業のプレートも飾ってあるので、美術館の成り立ちを多少知ってから見に行くと、関わった人の想いにも触れられる。
FACTORY ART MUSEUM TOYAMAの作品
ファクトリー アートミュージアム トヤマは見ての通り、そこまで大きくはない。展示作品も僕が行った2017年5月の時点で、小さいものも含めて2~30点ほどだったように思う。
かなり見落としがちだが、入り口のすぐ上の部分には飛竜のようなアートが飾ってある。
チェーンなどの金属を利用して作られた、骸骨戦士のような作品も。
手の形をした沢山のメタルアート。
味のあるすごくい色合いの巨大グモのアート作品。
金属のバネを利用したジュエリー。これもすごく繊細に出来ている。
メタルアートミュージアムなだけあって、オーディオもメタル。結構かっこいいと思う。
一番すごいと思ったメタルアート
僕が見て一番すごいと思ったのは、金属で出来たトンボ。
細さ1mmもないくらいの羽の筋も、かなり繊細に表現されている。金属でここまで緻密な加工ができる時代になんだなぁと感動した。
写真は、iPhoneでは全然うまく撮れなかった…w
シルバーなので光を反射するのと、細かい部分が多すぎてピントが全然合わなかったのだ。
これは実際に行って見てほしい。
FACTORY ART MUSEUMの営業日や料金
ファクトリー アートミュージアム トヤマは、基本的には事前予約制だ。見学か可能か事前に問い合わせれば、時間の都合がつけば閉館日でも対応してくれる。
運営している株式会フジタの本業は製造業なので、そこは理解を持って見学に訪れてほしい。
FACTORY ART MUSEUM TOYAMA
営業時間:10:00~16:00(月火水)
入館料:高校生以上1000円、中学生以下無料
問合わせ:0766-64-0501
住所:富山県高岡市福岡町荒屋敷525-9
まとめ
ファクトリー アートミュージアム トヤマは、本当に小さくて展示作品数もそこまで多くない。
もしかしたら入館料が高いと感じる人もいるかもしれない。でも1つ1つの作品に、町工場の技術者の想いがめちゃくちゃ詰まっているのが分かる。そして、その技術の高さも感じることができる。
事前予約制なので、きちんと説明のできるスタッフが対応してくれるので、疑問点や作った人のことも聞けばすごく丁寧に教えてくれる。僕が行ったときは、(株)フジタ代表の梶川さんが作品のことだけでなく、会社のことや、これからのことなど、沢山話してくれた。
金属で出来た昆虫のメタルアート作品などは、本当に本物そっくりの形に作られている。井波彫刻をメタルアートで表現した作品もすごいクオリティだ。
こういった現場で使われているものづくりの技術を、アート作品として見て、体感できる美術館はここ以外にほとんどないだろう。
中学生以下は無料で見られるので、子供を連れて見にいくのがいいかもしれない。子供達がここの展示品と技術を見て、どんな影響を受け、どんなことを感じるのか、すごく楽しみだ。
そして実は僕たちの生活を支えている、普段はあまり表に出てこない技術者たちのことを、今一度認識するいい機会にもなるんじゃないかぁと思う。