富山県の自家用車保有台数は、1世帯1.73台とトップクラス。先日発表された家計調査でも富山県民ガソリン支出は、86,272円とトップクラス。
富山県が完全な車社会であることは、データ上でも実感値としても明確だ。でもそこに素朴な疑問が思い浮かんだ。
なぜ、富山県民はここまで車に乗っているのか?
便利だから。公共交通機関がないから。ステータスだから。
様々な理由が考えつくが、それらの奥にもうちょっと本質的な理由があった。
人は快適な物を欲する
僕たち人間は、基本的に楽で快適な生活をしたい生き物。
一度クーラーの快適さを味わってしまうと、扇風機だけの生活には戻れない。一度洗濯機の便利さを味わってしまうと、洗濯板には戻れない。
一度車に乗ってしまうと、ママチャリにはなかなか戻れない。
車庫から車に乗ると、雨だろうが雪だろうが濡れずに移動できる。異姓と自然な形で個室空間に入れる。自分が思った時間に移動できる。
こんな便利なモノを知ってしまったら、もう手放せない!
だから
高い維持費とガソリン代を払ってでも利用している。
でも、車が便利なのであればどの県でも車社会になっているはず。富山には、その便利さを裏側から人知れず支えている秘密があるのだ!
実は富山の道路はすごかった!
ずっと富山にいるとほとんど感じないが、富山の道路は走りやすいらしい!
その証拠に、富山県は道路整備率がダントツトップ。今回のデータは平成13年のものだけど、平成25年度も74.8%と変わらず全国1位。こんなの全然知らんかった。
道路整備率
道路の整備水準を表す指標で、道路の改良率と混雑度を総合評価するもの。 自動車のすれ違い走行が可能なように改良され、また交通量混雑度が1.0以下の道路を算出し、道路全体(実延長)に占める割合を道路整備率と定義している。
資料:国土交通省「道路統計年報」
実際に富山県の公的投資額の推移を見てみても、道路への投資額が圧倒的に多い。
富山県民がここまで車を利用しているのは、車に快適な道路がしっかりと整備されているからなのだ。
いくら車が便利でも、道路が狭かったり、ガタガタだったりしたら、あんまり乗る気がせんよね。
でもこれだけ道路に投資されてる状況で、鉄道もしっかり生き残ってるところはもうちょっと掘り下げて調べてみたくもなる。
富山の道路が整備されているワケとは?
さらに掘り下げると、
なぜ富山はここまで道路を整備できたのか?
という疑問が湧いてくる。
お金さえあれば、整備できるワケではない。それにはある程度の広さの土地が必要だし、しっかりした都市計画が必要だ。
富山の道路がここまで整備されている理由は、富山市中心部の土地が一度焼け野原になったからだ。
富山大空襲。
この空襲が富山市中心街を焼け野原にした。
戦災で挫けず、野原になったことを逆に生かして、早い時期から道路を整備したのだ。その活動が現在でも生きている。家が沢山立ち並んでからでは、道路の整備は不可能に近い。
さらにさらに、
富山平野という平らな土地が、道路整備の費用を下げている。起伏の激しい土地ばかりだと、道路を整備するための単価が圧倒的に上がる。
まとめ
僕たち富山県民が、普段なんとなく乗っている自家用車。
でも、特に意識せずに快適に乗れている裏側には、歴史的な理由や、土地的な理由、財政的な理由が隠れていた。
この歳になって、歴史って面白いと気づく。
そう考えると、調べ物って結構面白い☆あまり堅すぎない富山の歴史の本でも読んでみるかな。