毎年秋に開催される住民運動会。
参加する人もしない人も色々いると思うけど「住民運動会って必要なのか?」から「自治会・町内会」についてまで色々考えてみた!
住民運動会とは?
住民運動会ってある地区とない地区があるのかもしれないが、一応次のような地域の運動会のこと。
町内ごとにチームを作り、他の町内と競い合う運動会。競技種目などは地区ごとに異なる。新興住宅ができ、若い世代が多いところが必然的に強くなる。参加しないといけないような空気が一応あったりする。
あなたの住む地域には、住民運動会があるだろうか?
住民運動会の参加者は結構多い!
住民運動会には、その地区の様々な町内が参加する。
住民運動会は、上の写真のように沢山の自転車を見ると分かる通り多くの人が参加している地域行事だ。
参加者は年配の人か、小さい子ども、そしてその親夫婦がほとんど。高校生、大学生、若い社会人はほとんど参加していないように思う。
住民運動会に参加してみた!
僕の住む地区の住民運動会は17の町内で競い合う。
ここ3〜4年は事故や雨で中止が続いたが、僕が参加した年は最後まで行われた。
僕は1種目のみに参加。運動会は高校以来、住民運動会は中学生の頃以来な気がするので、もう十数年振りの運動会w
町内ごとにテントが建てられ、その中で競技を見守る。競技参加者はもちろんだが、競技には参加できない高齢者も見守りにだけ来ていたりする。
テントで競技を見ていると、ちょうど自分の町内がムカデレース(数人で足をロープで繋げて走る競技)で劇的な逆転勝利を見せた!
テント内は沸きに沸く!大盛り上がり。
出場選手が戻ってくるとまるで金メダル選手をとった選手を出迎えるように、ハイタッチの嵐が起こる。
僕もその興奮に当てられて、出場選手がカッコよく見えた。
住民運動会のメリット
住民運動会で、得られるものってなんなのだろうか?
僕なりに考えてみたところ次の3つが思い浮かんだ。
- 同じ町内に住む人の顔が分かる
- 町内の団結が生まれる
- 友達に会える
同じ町内に住む人の顔がわかる
『富山暮らしと東京暮らしをして感じた「11個の富山の特徴」』でも書いているが、富山という田舎だからといってそこまで近所付き合いが密なわけではない!
0歳の時からこの町内で育った僕でも、顔も名前も知らない人が普通に半分以上いる。
そのような状態なので、住民運動会に出ることで少し町内の人の顔がわかるようになる。
町内の団結が生まれる
町内でチームを組むことで、みんなで協力して勝とうという意思が生まれる。
住民運動会では、個人競技よりもチーム競技が多いので必然的に協力が必要になる。競技に勝ったときは嬉しいし、負けたときは悔しい。
住民運動会を通じて、このような共通の体験をすることで町内の仲間意識は高まる!
友達に会える
住民運動会は地区の範囲で開かれるので、懐かしい友達に会うことができる。
小学生なんかは、運動会に来るというよりは友達と遊びに来るような感じだ。
30代になってから参加した住民運動会では、友人はほんの数人しか参加していなかった…。
これは、わざわざ住民運動会に出てくる意味がないからだろう。
「せっかくの休みになぜわざわざ疲れることをしないといけないのか?」
これがいわゆる若者のリアルな意見だと思う。
住民運動会のデメリット
一方、住民運動会のデメリットについて考えてみたら、次の2つがほぼ全てな気がした。
- 人付き合いがめんどくさい
- お金がかかる
人付き合いがめんどくさい
『田舎に住むなら知っておけ!町内会の活動と、そのめんどくささ…』でも書いたが、田舎の町内の人付き合いは思ったよりもめんどくさい…。
呑んで世間話するためだけに集まりたがる人もいるし、面倒なことを若い人に押し付けようとする年配の人たちもいる。
ましてや役員や町内会長などを決める話し合いは地獄のようだ…
若者世代は仕事が忙しいこともあるが、1円にもならない面倒ごとに巻き込まれるのが嫌で、全く町内の行事に顔を出さない人もかなりいる。住民運動会に出てしまうと、それがキッカケで〇〇会に入らないか?みたいな感じになることも多いのでめんどくさいのだ。
お金がかかる
住民運動会には、町内会費の半分弱が使われる。
子どもに配るお菓子やジュース、参加賞や弁当、打ち上げのビールや酒、料理などが費用のほとんどだ。
これは住民運動会に参加した人にとっては、タダ飯・タダ酒にありつけていいのだが、参加していない人にとってはなんのメリットもない….。
逆に言えば、住民運動会をやらなければ町内会費をやすくすることも可能なのだ。
もし参加者から打ち上げの費用を徴収する形になったら、誰も参加しないんじゃないかな、とも思う。
自治会・町内会の課題
住民運動会を見ていると、自治会・町内会の課題を解決するヒントがある気がする。
僕の町内は高齢化がかなり進み、町内会の集まりや仕事に関わる若者はほとんどいない。
その状態を年配の人は「今の若者は、なぜ参加しないんだ!」と怒っていたりする。
僕の考えでは、年配側と若者側の思いは次のような感じですれ違っている。
年配の人
年をとってできないことが増えてその部分を若者になんとかして欲しい。自分達は今まで無償でやってきたのに、なぜ今の若者はやらないんだ。
若者
仕事も忙しいのにどうして高齢者のためにお金にもならないことをしないといけないのか。意味が分からない。
要するに若者は現在の町内の状況に何も困っていない。自分が生活する上で町内会という組織がないと困ることはほとんどない!
若者にとっては、町内会・自治会に参加する意味が全くないのだ。
「町内会・自治会に参加することにメリットはある」という意見はあると思うが、もし何かメリットがあったとしてもそれはなかなか目に見えないし、どうしても必要なものではない。
自治会・町内会の課題解決のヒント
自治会・町内会に必要なものってなんなのだろうか?若者を増やすにはどうすればいいのだろうか?
若者が自治会・町内会に何のメリットもないと思っているのであれば、何かメリットがあると思わせるしかない!
もちろんそのメリットが「お金」でもいいのだが、「お金」が前面にですぎては本来の意味の人間関係はできない。
そこで、僕が考えた考えは「楽しさ」だ。
若者は楽しいイベントにはお金を払っても行く!
「必要性がなければ楽しくないことなんてしたくない」というのは、人間の正常な考え。
「楽しさ」をどう演出していくか?
この1点に絞って考えれば、自治会や町内会に若者を増やす方法は色々ある。
今回の住民運動会で「友達」がキーワードになるのではないかと思った。友達と遊ぶ小学生が本当に楽しそうだったからw
例えば、
「住民運動会の後は同窓会」「みんなでゲーム大会」みたいな感じでも良いかもしれない。
まとめ
住民運動会の必要性や、自治会・町内会についてまで、色々と考えてみた!
久しぶりの運動会。勝ちに熱くなるとか、負けて悔しいとか、そういった感情と向き合ったり、チームの一体感を感じたり、とても楽しい経験だった。
世代が違うと基本的な考え方が異なるように、時代と共に人の思考や価値観も常に変化している。
現代はインターネット環境が整い、リアルに顔を合わさなくても多くのことが完結するようになっている。どんなに強制しても人は動かない時代になってきている。
そんな中で、町内会・自治会というリアルな世界での問題を解決するには、「自分」という決まった視点からだけ考えていては問題は解決できない。
相手はどう思っているのか?
どんなことを求めているのか?
など冷静に「相手目線」で考えることがとても重要になってくる。
問題を整理して、それをわかりやすく伝える「人を動かすデザイン」のようなモノが必要な気がする。