富山県高岡市の藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーの1周年記念の企画展「キテレツ大百科とものづくり原画展」に行ってきた。
このイベントは、2016/12/1(木)~2017/4/1(日)に第1期が開催され、3期まで続く。
そして1周年記念の特典として2016/12/28(水)までは、なんと原画の撮影OK!なのだ。
これは藤子不二雄ファンとしては行くしかない!ってことで早速行ってきた。
「キテレツ大百科とものづくり原画展」やキテレツ大百科の詳細については、『高岡市藤子F不二雄ふるさとギャラリーで開催されているキテレツ大百科とものづくり原画展』を参考にしてほしい。
キテレツ大百科原画展の内容
高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーは、常設展と企画展がある。今回の「キテレツ大百科とものづくり原画展」は企画展だ。
これまでは神奈川県川崎市の「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」の企画展と同じものを、富山でも開催していた。
しかし今回のキテレツ大百科の原画展は、高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーの独自企画だ。
飾られているのは次の原画だ。
キテレツ大百科・・・10枚
ドラえもん・・・4枚
てぶくろてっちゃん・・・5枚
パパは天さい!・・・5枚
SF短編マイロボット・・・5枚
僕たちが普通目にするのは、印刷後の綺麗な状態の漫画。
だが今回は原画展なので、写真のように汚れや修正のホワイト、吹き出しの言葉の貼り付けなど、すべてがリアルな原稿が展示されている。
その原画からは、藤子不二雄先生の苦心の跡や時代の流れを感じることができる。
一度で完璧な原稿ができるのではなく、直しを重ねる中で洗練された漫画に仕上がっていく。
汚れや修正のホワイトから、この原稿は藤子不二雄先生が実際に触っていたものなんだということに少し感動する。
キテレツ大百科のからくり武者
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「か〜ら〜く〜り武者〜」
僕が小さい頃、テレビでキテレツ大百科を見ていた。詳しい内容は覚えていないがアニメを見ていた記憶はある。
今回の原画展で、からくり武者が描かれた原画が飾られていた。
それを見た途端「か〜ら〜く〜り武者〜」って言葉を発しながら、からくり武者が襲ってくる場面が頭によみがえった。
完全に忘れたと思っていた記憶が、原画を見ることでよみがえった。
忘れているだけで、頭の中にはちゃんと残っているものなんだなぁ。藤子不二雄先生の作品はやはりすごい!
キテレツ大百科原画展で好きだった話
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今回の「キテレツ大百科とものづくり原画展」の中で一番好きだった話。
男と女が根本的に違う生き物だってことがよくわかる。いや、母親という生物と男の子の考え方や行動の違いだろうか?
キテレツこと木手英一(きて えいいち)が研究をしているところに、ママがやってきて「くだらない研究よりお使い」という。
キテレツが「僕の発明が世界の役に立つんだ」というとママが「世界人類の前にママの役に立ってよ」という。
買い物に行きながらキテレツは、「どうも女の人というものは、目先のことしか考えられないんだな。」「あのロボットが完成すればお使いでもなんでもさせられて、世界中のママが助かるんだぞ」という。
このたった1ページの中の絵とセリフで、藤子不二雄先生の日常を面白く、問いかけも含めて描きだす力の凄さがわかる。
「女の人は〜〜」と書くことで、「男の人も〜〜」という部分を想像させられる。「男の人は、夢みたいなことばっかり言って、現実的なことを何もしないんだから」って具合だろうか?
この世に存在する「女」と「男」をうまく表現した場面だと思う。
とても気に入ってしまった。
まとめ
高岡市の藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーは、高岡市美術館の2Fにある。入場料は大人でたったの500円。気軽に行ける値段だ。
キテレツ大百科といえば「コロ助」が有名だと思うが、写真を見ればわかるように登場時はかなり違う。
『Google検索「コロ助」』
ドラえもんも1巻登場時とその後でどんどん形が変わっていく。
藤子不二雄先生でさえ、どんどん工夫を重ねて進化していっているのだ。なんでも初めからうまくいく訳ではない。
「キテレツ大百科とものづくり原画展」を見て、そんな風なことを思わされた。
午前中に行ってきたのだが数名のお客さんのみで、大きくない展示会場なのだがゆっくり見ることができた。
そのお客さんは、県外から来たのか「時間がない」といって早々に立ち去った。それくらいの手軽さで見にこられる金額だ。
1~2時間もかけてゆっくり見る展示会もいいが、どうしても気合を入れて見に行く必要がある分行きにくい。
ここはすごく気軽に立ち寄れる美術館で、展示会場が広く展示点数が多い展示会とは違った楽しみ方ができる。
どうせ見るなら写真撮影OKな12月28日(水)までがオススメだ。
だがあくまで美術館で、子供がワイワイと騒げるような雰囲気ではない。子供連れで行くときは、そのことを意識して行ってほしい。