【富山市議会議員の不正による辞職】富山市議会を7つのQ&Aで簡単にまとめてみた

富山市議会議員の不正

富山市議会議員の政務活動費不正受給による相次ぐ辞職。ネット上では、日々富山市民の怒りの声が聞こえてくる。

「俺らの税金を好き勝手使いやがって!」

僕も怒りたいんやけど、そもそも市議会議員って何しとるんか知らんし、政務活動費ってのもよく分からんし、どんな人が富山市議会議員なんかも知らんし・・・

政治に対してこんな無知で無関心の状態では、怒りたくても怒れんやん!

ということで、調べてみた。

目次

富山市議会議員の仕事って?

富山市のHPには以下のように書いてある。

市議会議員は、市民の要望を市政に反映させるため、予算、条例などの議案を初め、請願等についてきめ細かく審議し決定します。このため、市議会は議決機関と呼ばれています。

市議会議員は、選挙によって市民から選ばれた「市民の代表者」です。

つまり富山市議会議員とは、僕たちを代表して富山市を豊かで住みよくするために話し合いをして、様々なことを決めることが仕事なようだ。

富山市議会の主な権限

議決権 条例を制定・改廃すること。予算を決め、決算を認定すること
選挙権 議長、副議長、選挙管理委員などを選挙すること
検査権
監査請求権
市の事務が議会の議決どおり執行されているか検査したり、監査委員に監査を求め報告を請求すること
調査権 議会が市の事務を調査すること
意見書提出権 市の公益に関することがらについて、国などの関係機関に対し意見書を提出すること
請願受理権 請願を受け付け、審査すること

さすがに多くの権力を持っている。市の事務が自分たちの決めたことをちゃんとやっているのか検査したり、市の公益に関することがらについて国に意見書を提出したり、かなりの管理能力が求められる仕事だ。

議会の仕組みは?

本会議
 -常任委員会
 -議会運営委員会
 -特別委員会

基本的に意思決定をするのは本会議だが、その決定を下すために常任委員会と議会運営委員会と特別委員会が用意されている形だ。

本会議
議案などを審議し、市議会としての最終的な意思を決定する。本会議には、年4回(3,6,9,12月)開かれる定例会と、必要に応じて開かれる臨時会がある。

常任委員会
議会の内部組織として、所管事項別に専門的に詳しく審査する機関。富山市議会には、総務文教、厚生、商工農林水産、建設の4つがある。

議会運営委員会
議会の円滑な運営を図るため、意見調整や議事の取り扱いなどを協議する。

特別委員会
必要に応じて議会の議決によって設置され、特定のことがらなどを審査する。まちづくりと公共交通対策特別委員会、空き家等対策特別委員会、まち・ひと・しごと創生対策特別委員会、決算特別委員会(通常9月定例会で設置)がある。

定例会の流れ

本会議

[議案の上程]
本会議で議案が議題とされ、提案者(市長等)が議案の内容について説明。

[一般質問 ・議案質疑](代表質問)
議員が市政全般にわたって質問。(3月定例会では、会派を代表しての代表質問がある)

[委員会付託]
議案は所管事項別に分けて、各常任委員会へ審査を依頼。

常任委員会

[議案審査]
付託された議案について、専門的に詳しく審査を行い、委員会として賛成か、反対かを決定。

本会議

[委員長報告及び質疑]
各委員会の委員長が委員会での審査経過の概要と結果を報告し、それに対する質疑を行う。

[討論]
議案について、議員が賛成あるいは反対の意見を表明。

[表決]
議案に対して、議会としての最終的な意思を決定。

難しい感じで書いてあるが、ざっくり読み解くと、まず議案があがってそれについて色々質問した後に、常任委員会に審査をしてもらい、それを元に最終的にどうするかを決めるという流れのようだ。

ちなみに定例会の会期は15日間とか21日間とか結構長い。無関心な僕は、それすらも初めて知った。

2016年9月の富山市議会定例会日程はこんな感じだ。

5日(月) 本会議(提案理由説明ほか)
6日(火) 議案調査日
7日(水) 議案調査日
8日(木) 議案調査日
9日(金) 本会議(一般質問)
10日(土) 休会
11日(日) 休会
12日(月) 本会議(一般質問)
13日(火) 本会議(一般質問)
14日(水) 常任委員会(商工農林水産・建設)
15日(木) 常任委員会(総務文教・厚生)
16日(金) 常任委員会(商工農林水産・建設)
17日(土) 休会
18日(日) 休会
19日(月) 休会
20日(火) 常任委員会(総務文教・厚生)
21日(水) 本会議(委員長報告・質疑・討論・採決ほか)

議案調査日は議案について調べる日なので、会期は17日間だが半分ほどは休会だ。

他の県のしかも県議会議員だが、山梨県議会議員のこごし智子さんのブログを見るとリアルが見えるようだった。

こごし智子だより

このようにリアルを伝えてくれる議員は貴重だ。こんな時代だからそれだけで信頼できる。

また『会議録ライブラリ』をチラ見すると(全て読む気は起きなかった)、森市長が頑張っているっぽい印象を受けた。興味がある方は覗いてみてほしい。

議員報酬っていくら?

議長:月額71万5,000円
副議長:月額64万5,000円
議員:月額60万円

議長や副議長になるとちょっと多めにもらえるようだ。

費用弁償

これはざっくり言うと交通費。条例には下記のようにある。

議員が招集に応じ、本会議、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会又は議会報編集委員会に出席したときは、費用弁償として日額4,000円を支給する。

まぁ、富山の端っこからくる議員などは、ガソリン代とか大変だからね。

ちなみにこの費用弁償という制度、他の都道府県では完全廃止もしくは実費支給に切り替えられているようだが、さすが富山市は太っ腹だ。

期末手当

これはいわゆるボーナス。条例には以下のようにある。

期末手当の額は、議員報酬の月額及び議員報酬の月額に100分の45を乗じて得た額の合計額に、6月に支給する場合においては100分の150、12月に支給する場合においては100分の165を乗じて得た額に、在職期間に応じて一般職の職員の例により、一定の割合を乗じて得た額とする。

普通の議員だと、3月と9月に60×0.45=27、6月に60×1.5=90、12月に60×1.65=99。それらに一定の割合を乗じた額が貰える。

1年間にボーナス4回、最低でも243万円に貰える計算だ。

富山市議会議員の年収は、最低でも60×12+243=963万円になる。

富山市民の代表だから、これくらいは貰って当たり前なんだろう。

まだどうなるかは分からないが、月額10万円の増額が可決されているので、来年4月からは、年間120万円UPする。

まぁ、富山市民の代表だからね!

政務活動費とは?

現在一番問題になっているお金。僕はその存在すら全く知らなかったが、どんなお金でいくら貰えるのだろうか?

政務活動費

条例では以下のようにある。

政務活動費は、会派が行う調査研究、研修、広報、広聴、住民相談、要請、陳情、各種会議への参加等市政の課題及び市民の意思を把握し、市政に反映させる活動その他住民福祉の増進を図るために必要な活動に要する経費に対して交付する。

今回の富山市議会の場合は、市民のために必要なお菓子とか、パソコンとか、プロジェクターとか買ってたんだよ、きっと…。

会派

政務活動費については、「会派」という考え方が必要なようだ。条例には以下のようにある。

政務活動費は、富山市議会における会派(所属議員が1人の場合を含む)に対し、交付する。

政務活動費の額は、1月につき、各月の1日における会派の所属議員数に150,000円を乗じて得た額に、次の各号に掲げる当該会派の所属議員数に応じ、当該各号に定める額を加算した額とする。

3〜9人:150,000円
10〜19人:300,000円
20人〜:450,000円

議員報酬などの個人に支給されるお金ではなく、会派ごとに人数に応じて支給されるお金のようだ。

では、富山の会派とはどのようになっているのだろう?

富山市議会議員の会派

自由民主党:25人
公明党:4人
民政クラブ:4人
日本共産党:2人
社会民主党議員会:1人

(2016.9.12時点)

ちなみに政務活動費は、各4半期の最初の月に、当該4半期に属する月数分が交付される。

富山の自由民主党の場合は、3,6,9,12月に15×25+45=420万円が交付される計算だ。

富山市議会議員ってどんな人がやってんの?

議員名簿(50音順)(2016.9.12時点)

議員名簿を見ると、定員40名のところ県議転出と辞職で36人になっている。

平均年齢61.58歳、最年少47歳、最年長79歳。男性34人、女性2人。当選回数3回が27人、2回が5人、1回が7人。

どこもそうなのかもしれないが、平均年齢高い…。

そして、ほとんどが3回以上(12年以上)続けている

ここで3回と書かれているのは、2005年(平成17年)4/1、旧富山市・上新川郡大沢野町・大山町・婦負郡八尾町・婦中町・山田村・細入村の7市町村による新設合併によって現在の富山市になってからの数字である。つまりほとんどの議員が最低でも12年以上続けているということだ。

これでは、変化がないのは当然なのではないだろうか?

普通なら定年退職、もしくは高年齢再雇用で給料が下がるところを年収1000万弱って考えるとすごい!

もっと若い人と女性、さらに初当選のフレッシュな人間が入ってこないと何も変わらんがだろうなぁ。

何人辞めたの?

今回の不正事件で結局何人辞めたんだろう?

2016.9.20の本会議時点で辞職を許可されたのは以下の人物だ。

市議会議員

中川勇氏(69)=自民
村山栄一氏(66)=自民
岡本保氏(65)=自民
浅名長在エ門氏(65)=自民
藤井清則氏(54)=自民
針山常喜氏(70)=民政クラブ
高田一郎氏(69)=民政クラブ
谷口寿一氏(53)=自民
市田龍一氏(61)=自民

県議会議員

矢後肇氏(56)=自民
山上正隆氏(61)=民進
坂野裕一氏(52)=民進=辞職表明

ほとんどが自民党員なのは、会派が関係しているのだろう。

また富山県議会で、坂野裕一氏の辞職が許可されれば、開会当初2議席合った民進党の議席は0になる。

富山市議会議員の補欠選挙

問題は補欠選挙だ。

富山市議会では不正での辞職9人を含め10人の欠員が出たため、公職選挙法が定める基準(定数の6分の1超の欠員)を満たすことになり、50日以内に補欠選挙が行われる。任期は本来の満了日である来年4月までだ。

その補欠選挙に約1億円かかる

任期満了の6ヶ月以内に欠員が出た場合は補欠選挙は行わないという決まりがあるので、もう1ヶ月辞職を許可しなければ補欠選挙の必要がなくなり約1億円の税金の支出はなかった。

しかし、市議会議員という仕事は10人も欠いた状態では回せない大変な仕事なのだろう。辞職は許可された。

また解散して再選挙にすれば、そこから4年間は選挙がないので余計な税金は必要なくなる。しかし、「解散したら追求ができなくなる」との理由で、補欠選挙が決定された。

つまり
補欠選挙で約1億円の税金を使って、来年4月には本選挙でまた1億円以上を使う
ことになる。

これはすごくもったいない!1億円あれば困っている子供を2〜3人助けられるんじゃないかと思う。

また政務活動費問題で2人が辞職した県会議員の高岡市選挙区の補欠選挙も同様に行われる。

10/23(日)は、富山知事選、県議選高岡市選挙区の補欠選挙。

11/6(日)は、富山市議補欠選挙と慌ただしい日が続きそうだ。

誰でも市議会議員になれるの?

もう市議会の補欠選挙が決まってしまったので仕方がない。でも市議会議員って誰でもなれるのか?ちょっと疑問に思ったので調べてみた。

富山市のHPに以下のようにある。

富山市内に住んでいる満25歳以上の選挙権のある人ならだれでも市議会議員に立候補できます。

25歳以上であればほとんどの人に立候補の権利があることになる。

あとは供託金30万円

この供託金は、有効得票総数÷議員定数÷10より票を取れば戻ってくるそうだ。

平成25年度の有効得票総数は約18万票なので、180000÷40÷10=450票。これなら頑張れば取れるのでは?と思えてくる。

ちなみに平成25年度の富山市議会議員選挙では、2563票以上で当選だった。投票率は50%強。当選して富山市を変えることも夢じゃないかも!?

※実際はポスターを作ったり、事務所借りたりなど、少なくとも100万円以上はかかってしまうそうだ

まとめ

・富山市議会議員の最低年収は963万円。
・さらに交通費は4000円。
・政務活動費は、会派毎に一人につき毎月15万円。
・富山市議会議員の平均年齢は61歳以上。女性は2人。
・富山市内に住む満25歳以上の選挙権のある人なら誰でも市議会議員に立候補できる。

政治に無知・無関心の僕でしたが、今回調べてみてほんの少しだけ富山市の政治の大まかな部分について分かったような気がしました。これでちょっとは怒れるぞー♬

あなたは富山市議会についてどれだけ知っていましたか?

怒りの次は、これからの富山をどうするか考えることが大事。

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