CRENKEという冊子をご存知だろうか?
富山の学生が、ある1人の大人と話したことで生まれた、富山市中心商店街の店主を取材し紹介している冊子だ。
あるイベントで、ゲストとして呼ばれていたある男性が学生達に投げかけた一言からこの活動は始まった。
人の少ない中央通りに若者を呼ぶにはどうしたらいいだろう?
学生たちが考えたのが、物々交換。
店主の記憶や想いと、自分たちの発信力を交換する。
「くれんけ?」
このCRENKE(クレンケ)の活動は、舟橋村の「お※食堂」でのイベントで知っていた。そんな状態で、ある1人の大人である「ほとり座の田辺くん」と話す機会があって、ますます興味を持った。
ということで、クレンケの話を聴きに「街のカタリバ」というイベントに行ってきた。
実際に話を聞いて感じたチームCRENKE(クレンケ)について、自分の意見を入れまくってまとめてみたw
CRENKE(クレンケ)とは?
CRENKEのきっかけ
クレンケを作った主力メンバーは、富山高専国際ビジネス学科の学生。
カナダに留学したときに、外国の人は自分の国や街のことを自信を持って紹介しているのに、自分たちは何も話せなかった。その悔しさや情けなさを根底に持っている。
CRENKEのメンバー
2017年に動き出したクレンケプロジェクトの主要メンバーは7人。そのほとんどは女性。
若くてよく笑う魅力的なメンバー。すごく楽しそうに元気いっぱいに話すので、こちらもなんだか元気がもらえる気がする☆
田辺くんも言っていた「女性の方が目的に対しても、好奇心に対しても正直。男性は議論が好き」って言葉にかなり共感した。以前クラファンやったとき、主要メンバーはほぼ女性やったし、登山なんかを元気よく楽しそうにしてるのも女性…w
でも、
男も女も関係なく、口だけじゃなく実際に行動に移していることはすごい。
CRENKEの内容
冊子「Crenke」は全部で16ページほどの冊子。総曲輪や中央通りの店主にインタビューした情報が載っている。
そのお店の商品や、場所の情報すら載っていないこともあるw お店の場所は、どうせネットで調べるからいいかってことらしいwww
ネットと違い、スペースの限られた冊子。大人から見ると「え!?」と思うけど、今の若者の感覚はこんな感じらしい。
CRENKEの目的
クレンケは、「商店街に若者を呼ぶためにはどうしたらいいか?」ということから始まったプロジェクト。
そのための手段として、クレンケメンバーは、店主の想いこそが若者を惹きつけると考えたのだ。だから、商品の紹介よりも店主の紹介をしている。
その発想が、汚れた僕たち大人には新鮮で魅力的に映るのだ。
CRENKEの資金はどこから?
ページ数が少ないとはいえ、冊子を発行するには様々なお金が必要になる。
彼女達は、この資金を町づくりのコンペで勝利することで自分たちで獲得した。その後、シアトルまで行ってプレゼンすることになったのだからすごいw
その行動力と情熱、これは若さもあるけど、やはりすごいメンバーなんだと思う。
CRENKEの強み
クレンケプロジェクトの強みは、彼女達のパッションと行動力。そして、周りの大人に相談し、もらった意見を自分らなりに噛み砕き、素直に反映していくところだ。
彼女ら自身、実際に行動してみることで様々な課題が見えてきたらしい。
そして、若い子が頑張っていると、僕たち年寄りはなんか応援したくなっちゃうw 今回も周りの大人たちはすごい盛り上がっていた。
クレンケ誕生のキッカケを作ったのも、単なる気取った街紹介の冊子になりそうだったところを、「いい子ぶってる、もっと自分の想いを素直に書きなよ」と方向を示してくれたのもまた大人。
大学生の行動力やエネルギーと、大人のでしゃばりすぎないサポートが上手く合わさっているのが強い。
クレンケはどこで手に入るのか?
冊子CRENKEは、総曲輪通りのMAG.net(マグネット)などに置いてあるのだが、100部しかないのですぐになくなったらしいw
近々新しいCRENKEを発行するらしいので、乞うご期待☆
情報は、SNSでも発信するとのことなので気になる方はフォローしておこう。
クレンケの良さ
クレンケの良さは、お金が絡んでいないところだ。
実際に行動していく中で、パッションだけでは継続が難しいことを実感したそうだ。しかし、変にお金を取ろうとはしていない。僕はそれが、クレンケの良さだと思った。
「店を紹介するので、広告料ください」なんてことをしていたら、クレンケの情報の信頼性や新しさの大半は失われたはずだ。どこぞの情報誌が大規模にやっているし、それでは学生ならではの良さが消えてしまう。
お金をもらって書いた記事なんて、読者は疑いの目で見る時代。例えば、この記事がクレンケから何かしらの紹介料をもらって書いていたら、記事の信用度ってほぼないだろう。このブログも直接お金をもらったら、何か途端につまらんくなりそうで、お店などからの直接の広告料は一度も貰ってない。
今回も彼女達は、「お金が絡むと、私たちを純粋な目で見ない人が出てきてしまう。情熱で動いていると、投資してくれる大人もちゃんといる」と話していた。
そういった純粋さや、「好きだから」「楽しいから」だけで行動できるその機動力が、大人にはなかなか真似できない大学生のクレンケの魅力なのだ。
僕なら「交通手段」「思考」「使えるお金」「買い物の方法」とか、余計なこと色々考えて分析始めちゃうもんな…w
どこにでもある大人のモノマネのような「ビジネスプラン」などの方向に、どうか進まないで欲しい。自分たちの若者ならではの視点で、思ったことをズバズバ書いていくスタイルの方が絶対に面白い。
とはいえ、継続にはお金がかかる
でも綺麗事だけでは、物事は続かないのも事実…。
今回もちょっと話に出ていたが、広告料のような形でお金をもらうのではなく、「若者ならではの視点や観点で、店をどうするか本気で考えて提案する」という方向の方が、上手くいくような匂いがする。
彼女達の視点を欲しがる店も必ずあるはずだ。
クレンケメンバーの今後の課題
クレンケの主力メンバーの大半は進学希望。
いずれは県外に出ていくので、クレンケの活動を受け継ぐ後輩達を見つけるのが今後の課題だという。
これは企業や商店でもある問題。僕は、これこそがクレンケが目的とする商店街に若者を呼ぶために一番やるべきことだと思う。メンバーを増やせば、それが直接商店街に若者を呼ぶことに繋がるからだ。
闇雲に多数に向けて広告する時代は終わった
新聞に広告を出せば客は来る、TVに出れば客は来る、地方情報誌に広告を出せば客は来る、SNSで拡散すれば客は来る、と思っている人はまだまだいる。
もしかしたら、ある程度は来るのかもしれない。
でも、クーポンの割引が目的で来た客をリピーターにする工夫は、店舗でできているだろうか?その広告の内容は、きっちりターゲットに刺さるものになっているだろうか?
「大勢に向けて書いたラブレターに、心を動かされる人間はいない」
人の心を動かすには、絶対に1対1の関係がいい。
僕は、CRENKEが若者を街中に呼ぶという目的を果たすためにやるべきことは、1対1の繰り返しだと思っている。
クレンケは商店街に若者を増やせたのか?
CRENKEの発行で、果たして街に若者は増えたのだろうか?
その答えは…
増えた!
なぜなら、クレンケのメンバーが街中に足を運ぶようになったから。
ということは、クレンケのメンバーが増えれば増えるだけ中心商店街に若者は増えるのだ。
メンバーを増やそうとするときに、おちいりがちなのが、先ほど説明したように多数に向けて呼びかけることだ。SNSなどで一斉に呼びかけた言葉は薄い。心に響かない。
やるべきことは、1対1の繰り返し。メンバーがそれぞれ1人を連れてくれば、それだけで倍の人数になる。そのメンバーがまた新しい人を1人連れてくれば、また増える。
最初から大勢に向けて呼びかけるより、絶対にこの方がメンバーは集まる。重要なのは、SNSなんかのツールを使うときも、なるべくダイレクトメッセージなどで1対1の関係に持っていくことだ。
自分たちが、街中を歩いて、取材して、心から楽しかった店を友達に紹介する。仲の良い友達や先輩に面と向かって「絶対おすすめ!」と言われたら、僕なら絶対に行くw
その活動が本当に楽しいなら、その繰り返しであっという間にメンバーは増え、後継者も見つかるはずだ。
年寄りの話は無視でもOK(笑)
クレンケのような若いエネルギッシュな子達の話を聞いていたら、すごく自分の意見を言いたくなる。
今回の街のカタリバを見てても思ったけど、人間てそういう風にできてんのかなw みんなめっちゃ意見を言ってたw
今回の視聴者が面白かったのは、意見はいうけど自分で「年寄りや、周りの大人は、好き勝手なことをいうから無視していいよ!」って言える人たちだったことだ。どんな意見を聞いても、最後は自分たちで判断することが必要。
若者の新鮮な視点を、いろんな経験で凝り固まった大人の意見で染めちゃうと、若者ならではの良さが消えちゃう。それぞれの年代が、それぞれの価値観を持っているのが面白い世の中だ。
若者のエネルギーに触発されてこんなに沢山書いちゃったけど、まぁ半分以上は「こういう考え方もあるなぁ」って流し読みでいいw
いやぁ、楽しいイベントで行ってよかった☆
CRENKE(クレンケ)メンバーには、失敗を恐れず思った通りにどんどん動いて欲しい。クレンケにはクレンケだけの視点や感性があるので、それを大事にして頑張って欲しい。
気になった人は、ぜひSNSをのぞいてみてね。