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【藤吉&大野商店の大野慎太郎さん】まちづくりの考え方を聞いてきた!

更新日:

まちづくりセミナー大野慎太郎

商店街って必要なのか?

魚津の商店街にある空き店舗を活用して、総菜店&カフェ「魚津ご城下の台所藤吉(とうきち)」を立ち上げ、代表を務める大野慎太郎さん。

「このように人前で語るのは初めて」と、汗だくで語る大野慎太郎さんが放った

「商店街って必要ですかね?」発言!

まさに今、僕が感じている部分とリンクしてとても面白かった。

NPO法人GPネットワークが主催する「まちづくりセミナー2017」。藤吉(とうきち)の大野慎太郎さんが、自分が体験したリアルを飾らずに伝えてくれた。

大野さんの話を聞いて感じたことを、自分なりにまとめてみた。まちづくりに関わる方の役に、ちょっとでも立てばよいなぁ。

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楽しくないのであれば、楽しくすればいい

都会に住んで、田舎に戻り「なんもない」と思った。

この感情は、もう鉄板のようなものw

僕も思っていたし、この感情や言葉を発した人は富山には腐るほどいるだろう。

先日「まちのかたり場in城下町」で『HOTORI×ほとり座の田辺和寛くんの話』を聞いたことで、「何もない」という思いは「知らないだけ」だということだと、僕の中では整理されている。

大野慎太郎さんの考え方で重要なのは、「楽しくなければ、楽しくすればいい」ってところだ。

僕たちは与えられることに慣れすぎた気がしている。

外国の若者の写真に「僕たちは現在あるものに期待していない。僕たちが欲しいものは自分で創る」みたいなキャッチコピーが添えられているのを、以前どこか見た。なかなか上手いなぁと思った記憶がある。

富山という地方で暮らす僕たちは、「お客様」ではない。不満があるなら自分たちでなんとかしなければならない。

商店街がなくなったら困る理由

「商店街がなくなると寂しい」という回答が多数あった。

魚津では商店街についてアンケートをとったことがあるらしい。

その結果として上がってきたのが、「49%が商店街を利用していない」「なくなると寂しい」などの回答。

「さみしいはお金にならんやん!」「みんなの寂しさを紛らわすために仕事してるわけじゃない!」みたいにちょっとおどけた感じで、大野さんが話していた。

でもこの「なんか寂しい」って感情は、僕の中にも確実にある。

というか友達と最近話していた内容だったのでちょっとビックリしたが、この感情って僕だけじゃなく結構あるんだなと実感した。

昔よく行っていた店がなくなるというのは、つまり思い出の場所の喪失。これは多分多くの人は避けたいと思うはずだ。

自分の思い出を守るために大金は出せないけど、小金を出してもいいという人は、実はいるんじゃないかなぁと僕は思っている。

なんの情報も発せずにいきなり潰れて「今までご愛顧ありがとうございました」ってのがよくある。

でも例えば「もうヤバイです」みたいな情報を発してくれて、ちょっとした協力をしやすい仕掛けを用意してくれたら、そこに思い出がある人は動くんじゃないかなぁ。

上手い例えが思いつかないけど、潰れた映画館の座席シートを購入する人が殺到するような事例に近い気がする。

ニッチな情報も大勢に伝えることができるネットができたことで、いろんな可能性がある気がする。

商店街に来る理由を創る

ここにしかないモノを扱えば、人は来てくれるんじゃないか?

これは差別化と強みの考え方。でも「まちづくり」には抜けがちな思考かもしれない。

例えば、商店街でファボーレやイオンにあるものを扱っても、わざわざ商店街に行って買おうと思う人はほとんどいない。

駐車場が無料で、映画も観れて、とりあえずそこに行けばほとんどのものが買えて楽しい時間が過ごせるショッピングモール。同じものが同じ値段で売っているなら、僕は絶対にショッピングモールに行く。

あなたならどうだろうか?映画を見に行ったついでに買えばいいやってならない?

さらに今はネット通販がある。品揃えと料金では、実店舗は100%ネット通販には勝てない。

じゃあ商店街がショッピングモールやネットショッピングに勝てる部分はどこだろう?

 

足し算のビジネス思考

惣菜、ランチ、こだわりの品、全部やれば人は来るのではないか?

大野さんはアンケートの結果など様々なことを考えた結果、この3つなら勝てるんじゃないかという結論に達したらしい。

どれか一つではダメで、全部やるという感覚。僕はこれが意外と重要なんじゃないかと思っている。

30の力が必要だけど、単品でその力を持つものがない。そんなときは、みんなで集まって30の力を出そうよ的な。

綱引きとかもそうだし、現代でいうと『クラウドファンディング』、ワークシェアリング・カーシェアリングなどの『シェア』などの考え方に近い。

足し算のビジネス思考。

ちょっと考えてみても、惣菜は通販では買おうと思わないし、わざわざショッピングモールでは買わない。

ランチも、デートなどの特別な場合を除いて、家や職場の近くで済ませる。

つまり惣菜、ランチは、商店街でも通販やショッピングモールに勝てる可能性があるのだ。

でも「こだわりの品」ってのはどうなのだろう?
ネット通販に勝ち目ないよね?

「こだわりの品」には、ちょっと違う性質がある。

 

人への伝播を意識する

おばあちゃんが少量で800円するジャムを10個買ってった。

藤吉では、少量だけど800円するこだわりのみかんジャムを扱っている。そして次のようなことが起こったらしい。

ある日おばあちゃんが1個買っていった。次の日、10個買っていった。理由を聞くと「美味しかったから友達にあげる」ということだった。

しばらくして、別のおばあちゃんが「友達が美味しいと言っていたから」という理由で買いに来た。

これはネットでいうレビューや、SNSなどでいうシェアのリアルバージョンと言える。ネットをあまり使わないおばあちゃんの拡散力。なんだか面白い。

「美味いもの・いいものを人に紹介したいという気持ち」は誰にでも備わっている。自分がいいと思ったものを扱うと、その品質や想いが人に伝播しやすいという傾向がある。

物事を一人で拡散しようとしても限界がある。ファンを増やして勝手にPRしてもらう伝播という考え方、これは広告やコピーでも少し前から大事だとされる視点だ。

商店街で出店するリスク

入居するまで知らなかった負担。

藤吉の大野慎太郎さん。最初の飾らない感じのまま、自分が経験したことを脚色なく語ってくれた。

  • 期待が無駄にでかい
  • 入居するまで知らなかった負担が大きい
  • 仕事したいのに、会議に出なかったら嫌な雰囲気になる
  • 祭りなどの行事に強制的に参加

これらの事実は、意外と知らない人が多いのではないだろうか?

僕もあんまり考えたことがなかったが、商店街というと「商盛会」という集まりなイメージがある。なんとなく昔の高齢者が幅を利かせていて、若者はいいように使われる的な。

商店街次第なのだろうが、このようなリスクがあることは知っておいて損はない。

街と共に

50年この地でやる心積もりをした人としか、最終的には50年後のビジョンは見れない。

大野さんの話の中でも出たが、例えば東京なんかからやってくるコンサルという人物。

富山県や市なんかの税金をもらってやってきて、数年だけ付き合うような存在だ。

地域の問題や風習・文化というものがあって、ただの数値では分からない、町に入ってみないと分からない要因ってのは多くある。

本当に優秀なコンサルならいいが、変なのに当たると無駄な税金を払って余計悪くなるなんてことも珍しくない。

そんな結果になったとしても、数年でどこかに行く人は責任感も何もない。

やはり「実際にここを何とかしないとヤバい、自分が困る」という"ジブンゴト"の人としか、本当の意味での協働はできないのかもしれない。

「覚悟」なのだろう。

その意味では、先日『鶴瓶の家族に乾杯』でも取り上げられた『越中八尾ベースOYATSU』の原井さんが参考になるかもしれない。

僕もテレビで見ただけなので詳しくは知らないのだが、八尾の空家を実際に購入して改装して、拠点を作り上げた。

その覚悟が認められたのか、原井さんの人柄なのか、地元八尾の人にも随分受け入れられているようだった。

多分何事もそうなのだが、自分で何かを興すなら絶対に「覚悟」が必要になる。

税金の話

助成金が切れたら潰れた。

「こんな料金設定でやっていけんの?」みたいな店がオープンして、最初は人気だったが1年ほどで潰れる。

こんなことを目の当たりにした人は、結構いるんじゃないだろうか?

最初から税金を当てにした事業は止めた方がいい。税金の無駄だし、先ほどの話と重複するが、「覚悟」というものが薄いからだ。

「これがダメになったらヤバい」って人と、「別にダメでも大丈夫」って人では、困難に立たされたときに出てくるアイデアや行動に当然違いが出てくる。

税金をうまく利用する分にはいいが、それを大きく当てにしてはいけない。

大野慎太郎さんの頭にある構想

15分ほどで約2万円の売り上げの朝市。

大野慎太郎さんの藤吉(とうきち)がある魚津の商店街では、定期的に朝市が開催される。

新鮮なものが安く手に入るということで、開催前には行列ができ、スタート後怒涛のように売れて、45分後には人が全然いなくなるという状態らしい。

その経験を元に、大野さんの頭の中には次のような考えがあるようだ。

  • 朝市、御用聞き
  • 野菜などの「AmazonパントリーUOZU」「AmazonダッシュUOZU」「ヨシケイボックス」
  • 魚の行商

Amazonパントリーとは、まず決められた箱を購入して、様々な注文でその箱をいっぱいにして送ってもらうというAmazonのサービスの一種だ。

この考え方を、魚津の商店街でもうまく取り入れられないかという構想だ。

高齢化社会のこのご時世、需要は確実にあると思う。

そのまとめ方など多分大変な部分は多いと思うが、個人的にどうなるのかとても気になる。

まとめ

想像以上に長くなってしまった...w

大野さんが話していたことはまだ結構あった。しかし僕自身の頭に整理できそうなのはとりえずここまで。

今回の話を聞いて僕が一番大事だと思ったのは、

「楽しくなければ、自分たちで楽しくすればいい」という考え方。

ここには全てをジブンゴトとしてとらえて、なんとかしていこうという覚悟が見てとれる。

なにより楽しそう☆

あなたは不満やクレームをどう楽しく変えていきますか?

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