2018年7月20日公開の映画『未来のミライ』。富山出身の細田守監督の最新作映画だ。
山下達郎がオープニング&エンディングの2曲を手がけ、出演している声優陣も超豪華な本作。なんとか初日に見ることが出来たので、実際に鑑賞してみた感想レビューをちょっとまとめてみた。
キャストや細田守監督のコメントなどについては次の記事を参考に
→細田守監督映画「未来のミライ」キャスト決定、豪華すぎ!
映画「未来のミライ」のYahoo!映画の評価
引用:Yahoo!映画
公開前に1つ不安だったのが、Yahoo!映画の評価。
ここの評価は自分の中では結構信頼度が高くて映画を見るときはいつも参考にしている。3点あれば「まぁ、普通に見てもいいかな」、3点後半になると「かなり面白い」って感じだ。
そのYahoo!映画での映画「未来のミライ」の評価が、なんと2.2点...。公開前だったので試写会などを見た人の評価だと思うが、2点台は相当低い...。
細田監督の作品には興味があったので見ると決めていたのだが、ちょっと不安になったw
そんな状態で、TOHOシネマズファボーレ富山で映画鑑賞してきた。
映画「未来のミライ」の感想レビュー
実際に映画「未来のミライ」を見てみたら次のような感じだった。
映画の流れ
未来のミライでちょっと変わってるなと思ったのが、映画の冒頭からいきなり山下達郎の曲がかかり関わったスタッフの名前のロールが流れる。
オープニング→映画本編→エンディング
といった流れだ。
山下達郎が手がけたオープニング&エンディングの2曲がじっくり聞ける構成になっている。
細かくリアルな描写
街の俯瞰から映画は始まるのだが、まるで写真やビデオカメラで撮影したみたいにリアルに描かれている。
俯瞰からズームで家などに寄ってくると味のある絵だと分かるのだが、俯瞰になると妙にリアルに感じる。また主人公のくんちゃんが息を吹きかけて曇ったガラスの描写などもかなりリアル。デフォルメとリアルな描写がうまく使い分けられている印象を受けた。ここら辺は、細田監督流なのかな。
あらすじ&ストーリー
映画「未来のミライ」のあらすじは、公式HPに次のように書かれている。
確かに書かれているストーリーなんだけど、鑑賞前に読んだだけではあまり頭に入ってこなかった。
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊の に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。
そんな時、くんちゃんはその庭で自分のことを“お兄ちゃん”と呼ぶ、
未来からやってきた妹・ と出会います。
ミライちゃんに導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つくんちゃん。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。
待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男や幼い頃の母、
そして青年時代の曾祖父との不思議な出会い。
そこで初めて知る様々な「家族の愛」の形。
果たして、くんちゃんが最後にたどり着いた場所とは?
ミライちゃんがやってきた本当の理由とは――
それは、時をこえるボクと家族の未来の物語。
実際に見てみると、ここに書かれていることがスッと入ってくる。
小さなくんちゃんが、今まで親の愛情を独り占めしていたのに、新しくやってきた妹である赤ちゃんのミライに親の愛情を持っていかれたと感じる。だからミライちゃんのことは嫌いになって虐めるし叩く、ミライちゃんのことばかり気にしてくんちゃんのことをおろそかにする母親のことも嫌いだといっていじける。母親をオニババとののしる。
親の愛情を獲得するためにいじけたり、暴れたりする姿に、妙に納得するものがある。
大人になると、「人のことは嫌いになっちゃダメ」的な空気を感じるが、小さい子供にとっては自分から親の愛情を奪う赤ちゃんのミライは嫌いってのは当然の感情。そういった感情に妙に共感する。
建築家で家で仕事をしながら家事に奮闘する父親や、仕事で家を開けがちな母親、一緒に暮らす犬、それぞれの感情が細やかに表現されていてどのキャラにも共感する部分が多い。
過去の名作を想い起こす場面も
未来のミライでは、なにか昔の映画を思い起こさせるようなシーンが散りばめられている。
くんちゃんが犬になる場面があるのだが、その姿は細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」のよう。魚の大群の描写は、ジブリの「崖の上のポニョ」、大きな木の中の大量の索引カードは「サマーウォーズ」を、お菓子を拾って進むくんちゃんの姿は「となりのトトロ」を連想した。
「他の作品もまた観たいな」と思わせるような工夫もされてんのかも?
気に入ったシーンとセリフ
未来のミライの中で、「子どもの気持ちはこうなのかも」って妙に納得するシーンがあった。
それは、子どもたちが家の中をメチャクチャに散らかして、「散らかっている方が楽しいもん!」、「お菓子も沢山出して食べる方が美味しいもん!」っていうシーン。
このシーンとセリフに妙に納得したw
親の立場で考えると、綺麗に片付けるのが面倒だし仕事が増えるので散らかしたくはないのだけど、自分が子どもだったら絶対楽しい☆
多くの子どもが大人フィルターを外せば、自分も思いっきり散らかしてみたいって感情はあるんじゃないかな? 子どもの気持ちを考えたら、ただ一方的に子どもを叱り散らす自分のちょっと反省したりすんじゃないかな?w
子どもは楽しいからやってんだよね、きっと☆
映画「未来のミライ」をオススメする人
映画を実際に観てみて、実際に小さな子どもがいる、小さい子どもを育てたことがあるファミリーは、すごく共感できる映画なんじゃないかと思った。
小さい赤ちゃんは可愛いし、めちゃくちゃな行動をしたりいじけて出かけようとしない子どもにムカついたり、子どもが自転車に乗れるようになって成長していく姿など、共感ポイントは多いはずだ。
僕もこの映画を見て、映画内で描写されているような行動を取る甥っ子や姪っ子を自然と思い浮かべた。
逆にそういった経験をしたことがない人には、刺さりにくい映画なのかもしれない。
「時をかける少女」や「サマーウォーズ」なんかは、ほとんどの人が楽しく見られるけど、未来のミライはターゲットがより家族、それも母親に狭く設定されている印象を受けた。
映画の展開もハラハラドキドキってシーンはあんまりなく、ちょっとくらだないような家庭の日常にフォーカスしたような展開。サマーウォーズなどが好きな人はちょっと退屈に感じるかも。
そういった部分が公開前の評価が2点台だった原因なのかも...?
追記
中学生と小学生の甥っ子と姪っ子達が見てきたらしいのだけど、イマイチだったようだ。子どもを育てることなどに共感できるくらい大人じゃないとあまり楽しめないのかも...。アニメだから子どもが楽しめそうと思って見るけど、あまり共感できずイマイチってなるからこその低い評価なのかも?
ある程度、大人ならまぁまぁ楽しめたけどなぁ。
まとめ
映画「未来のミライ」は、
小さいくんちゃんが時を超えるタイムリープの中で動物や妹や親や祖父など様々な人と関わり、それらの人々の想いを感じる話。
普段は自分視点からの思考で生きているが、この未来のミライでは様々な人物のリアルな気持ちを体感することができる。その中で「家族のつながり」を実感する。そういったテーマで描かれた映画なのだと感じた。
めちゃくちゃ面白いとは言えないけど、個人的には3点以上はある「普通に面白い映画作品」。2点台ではないな。
最後に映画内で気になったセリフをいくつかご紹介。
- ほんの些細なことが繋がって今の私達をかたちづくっている。
- 子どもが生まれて動じなくなった。
- まさかお互いこんな風になるとは...、子どもたちのおかげだね。
- そこそこで十分、最悪じゃなきゃいいよ。
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未来のミライを見る前に以前の作品をチェックしておくのもありだよね。