追記
- 坂本欣弘監督と北川亜矢子タッグの新作『もみの家』レビュー!
- 2017年11月8日に、真白の恋のDVDとブルーレイが発売!
- 初日舞台挨拶と映画を見て、ロケ地や役名、受賞履歴、公開記念特番などを追記
- 実際の感想などは『映画「真白の恋」の初日舞台あいさつと鑑賞した感想』
オール富山ロケの映画「真白の恋」が2017年2月11日に富山で先行上映される。
上映する映画館は「TOHOシネマズ ファボーレ富山」と「TOHOシネマズ高岡」。
富山での観客動員数によって、全国でどれだけ時間枠が取れるかなどが決まる。初日の舞台あいさつは、満員御礼だった。
同様に富山県射水市新湊の内川をロケ地とする映画『人生の約束』のときもそんなのがあったのだろうか?ファボーレにバスで乗り付けてる団体がいたのをよく覚えている。
2/25(土)からは全国の映画館で順次公開。とりあえず「渋谷アップリンク」での公開は決まっている。
その後、北海道や福岡など続々と上映が決まってきているようだ。
真白の恋|初日舞台挨拶
2/11(土)にTOHOシネマズ ファボーレ富山/高岡の2ヶ所の映画館で、監督や俳優を招いて初日舞台挨拶が行われる。
僕は自分の人生初の舞台挨拶鑑賞を、富山の映画「真白の恋」に捧げることにして即座にチケットを予約した。さすがに最前列はすぐに埋まっていた。
宮崎あおいやガッキーが来るならなるべく前だが、今回は初体験なので真ん中あたりに陣取っておいた。
実施時間
【TOHOシネマズ高岡】
10:10~の回
舞台挨拶は上映終了後
【TOHOシネマズ ファボーレ富山】
12:40~の回
舞台挨拶は上映終了後
ゲスト
・坂本欣弘監督
・北川亜矢子(脚本)
・佐藤みゆき、岩井堂聖子、福地祐介、内田もも香、深川格
(以上予定)
※登壇者は変更の可能性あり。
チケット販売開始
2/4日(土)0:00から
インターネットおよび劇場窓口にて販売開始
SNSでのプロモーション
真白の恋の初日舞台挨拶は、SNS上でちょっと変わった方法で宣伝している。
SNSのプロフィール写真を、上記の写真に設定する人がたくさん現れたのだ。以前起こっていたレインボーフラッグに近い考え方だ。
プロフィール写真をみんなで変えるのは、なんか完全に作られたヤラセのように見えて個人的には好きではない。
確かに2/11(土)に初日舞台挨拶があることが大勢に伝わるが、伝わることと来てくれることは別なように感じる。
しかし単純接触回数の法則で考えると、効果はあるのかなぁとは思ってちょっとその効果が気になっている。
でも積極的になんでもやっていく姿は「いいなぁ」と思う。舞台挨拶は僕も見に行くので、このPR効果がどれほどあったのかも楽しみな要素のひとつだ。
真白の恋|撮影スケジュール
真白の恋が撮影されたのは、2015年だ。
サイトで公開されている撮影のスケジュールは、次のような感じだ。
2月 クランクイン
4月 立山登頂、クランクアップ
8月末、作品完成予定
2015年2月の11日間のかなりタイトなスケジュールで、撮影の大半が終了。そして4月に雪の立山の撮影を終えてクランクアップという流れだ。
こんなに短時間で映画って撮れるんや?結構楽なんや?
とちょっと思ったが、よく考えるとキャストの決定やロケ地の決定、その他撮影のための膨大な事前準備が必要なことに気づいて反省した。
2015年4月29日に坂本欣弘(さかもとよしひろ)監督が、「真白の恋クランクアップ、今日のこのラストカットのために1年間やってきました」とツイッターでつぶやいている。
このつぶやきから「1年間の事前準備の集大成としてのラストワンカットって、監督としてなんとも言えん気分なんやろうなぁ」とひしひしと伝わってくる。
しかしこの後には、編集作業が待っていたのだろう….。
真白の恋|成り立ち
真白の恋は、クラウドファンディングで資金を集めて出来上がった自主制作映画だ。
「Motion Gallery」というクラウドファンディングのプラットフォームを利用して、なんと3回の資金調達をしている。
1回目
2015年4月1日に終了したもので、54人の支援者から1,015,000円を集めた。
2回目
2016年6月29日に終了したもので、39人の支援者から2,914,800円を集めた。
3回目
2016年11月30日に終了したもので、67人の支援者から4,036,111円を集めた。
合計
160人の支援者から7,965,911円の資金を調達。
真白の恋のクランクインは2015年の2月なので、撮影を始めてからクラウドファンディングで資金調達をした形だ。
映画ってやっぱりめちゃくちゃお金かかるんやなぁと、なんとなく思った。
『映画「真白の恋」オフィシャルサイト』の最下部には、サポーターの名前が記載されている。もしかしたら知っている名前があるかもしれないので、気になる人は探してみよう。
資金の使い道
クラウドファンディングで、資金の使い道として以下のように記載されている。
1回目のクラウドファンディング
『“日本のベニス”と呼ばれる港町を舞台にした、映画『真白の恋』の制作サポートをお願いいたします!』
作品のクオリティを高めるため、ロケ費用と制作費の一部を募集
2回目のクラウドファンディング
『富山オールロケ作品・映画「真白の恋」を日本中&世界中へ』
劇場配給宣伝費
ポスター・チラシ・パンフ・前売鑑賞券など制作費…60万円
広告デザイン費:30万円
HP制作・運営費:30万円
郵送・通信・交通費・雑費:20万円
パブリシスト費:50万円
国内の上映素材(DCP)の作成費・複製費:50万円
英語字幕制作費(翻訳費・字幕編集費・DCP作成費):50万円
英語字幕版・英語圏以外の予告編制作費(翻訳費・字幕編集費):10万円
英語版資料・映像の作成費:10万円
海外映画祭エントリー費・素材郵送費・渡航費など:40万円
3回目のクラウドファンディング
『2017年公開予定・富山オールロケ映画「真白の恋」支援者募集中!!』
劇場配給宣伝費
広告宣伝費:300万円
宣伝活動費:100万円
映画ほど儲からない仕事はない、みたいなことを耳にしたりもするけど、聞いたこともないような作業と費用がかかるようだ。
パブリシスト費なんて初めて聞いたけど、3回目のクラウドファンディングがほぼ宣伝広報として集めていることから分かるように、映画業界には一般にはなかなか分からないような世界があるのだろう。
パブリシスト
パブリシティを専門に行う人。 クライアントを有名にすることが志事となる。(Wikipedia)
真白の恋|ストーリー
渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。
見た目にはそれとわからないが、真白には、ごく軽度の知的障がいがある。
日常生活に支障はなく、現在は父の営む自転車店の店番をしたり、飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。
ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、東京からやって来たフリーカメラマン、油井景一に出会う。
真白の、生まれて初めての恋。
応援する人、心配する家族。
その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか…。自然豊かな富山に暮らす、ひとつの家族の、「優しさ」と「葛藤」を描く。
この映画が、あなたの心に響くことを願って。
真白の恋|監督と脚本
坂本 欣弘(監督)
1986年生まれ。 富山県富山市出身。大学在学中より、映像作家の岩井俊二氏が主宰するplay worksにシナリオの陪審員として参加。その後は、映画監督の富樫森や呉美保らのもとで助監督として活動。その他、メイキングの撮影やPVにも参加。2010年アミューズソフトより監督デビュー。2011年より映像制作会社を立ち上げ、富山と東京を拠点にCM、PV、VP、テレビ番組などの制作を行う。
北川 亜矢子(原作・脚本)
1980年生まれ。 兵庫県姫路市出身。宝塚造形芸術大学 造形学科 映像造形学科。2003年、映像デザインコース卒業。大学卒業後、大阪のデザイン会社にてWeb・グラフィック・映像デザインに携わる。2005年、映像作家・岩井俊二氏が主宰するシナリオコンクールに長編シナリオを応募。それが岩井氏の目にとまり、2006年より、同氏に師事。アシスタントや助監督を務める。2009年、ショートフィルムにて脚本家デビュー。2010年、監督デビュー。2013年、小説家デビュー。
現在、映像、舞台、小説、監督、ゲームと、さまざまなジャンルで活動中。
「ホクサイと飯さえあれば」(2017)<TV>…脚本、「監獄学園」(2016)<TV>…脚本
「女くどき飯」シリーズ (2015、2016)<TV>…脚本、「おふこうさん」(2014)<TV>…作
「たべるダケ」(2013)<TV>…脚本
「世にも奇妙な物語 2012 秋の特別編『蛇口』」 (2012)<TV>…脚本
製作総指揮:松下 康平
エグゼクティブプロデューサー:松尾 直樹
協賛プロデューサー:坂丸 弓乃
プロデューサー:深川 格、増田 英明
音楽:未知瑠
撮影:山田 笑子
照明:市来 聖史
録音:山田 義昭、山岸 亮大、上戸 里沙、石川 雄士
美術:中居 崇
衣装:narumi
メイク:幸田 恵(coeur)、田近 香織理(coeur)、今家 真美(coeur)、高森 真美子、(coeur)
助監督:佐伯 龍蔵、米倉 祐依
制作:牧野 孝彬、土井 珠見、木寺 彩乃、松井 貴子
制作応援:坂下 真司、島倉 和幸
キャスティング協力:上原 三由樹
メイキング:市野 祐子
WEB制作:アドブレンド株式会社
宣伝美術:吉澤 正美
制作プロダクション:sagan pictures
配給:エレファントハウス
協賛:株式会社ZEエナジー、富山テレビ放送、北日本新聞社、FMとやま、優希株式会社、gallery COEXIST-TOKYO、焼肉ハウス大将軍、株式会社WPPC、株式会社ブライダルコアあなだ、山口アルク株式会社、射水市
特別協賛:株式会社アースプラス
後援:富山県、富山県教育委員会、富山市
映画を見終わった後に流れてくるスタッフのエンドロール。
あれを見ていていつも思っていたが、映画には本当に多くの人が関わっている。今回文字にしてみて改めて実感した。
焼肉ハウス大将軍とか協賛してんだぁとか、射水市は協賛なんに、富山県や富山市は後援なんやぁとか、ちょっとした背景が見えて個人的には面白い。
真白の恋|キャスト
・佐藤みゆき(真白役)
・岩井堂聖子(ゆきな)
・福地祐介(油井景一役)
・長谷川初範(真白の父)
・山口詩史(真白の母)
・杉浦文紀(れん)
・及川奈央(みさき)
・村上剛基(警察官)
・内田もも香(出版社の従業員?)
・深川格(写真館のおっちゃん)
映画「真白の恋」オフィシャルサイトを見ても、登場人物の名前などは全くというほど載っていない。
僕が現時点で「真白の恋」について分かるのは、主人公が真白(ましろ)という名前なことと、軽度の知的障害を持っていること、真白がフリーカメラマンの油井景一に初恋をすること、舞台が富山なこと、新湊の内川周辺と立山がロケで使われていることくらいだ。
具体的なことは何も分からないので、映画の内容についての事前情報はほぼないと言ってもいい。
映画や小説の内容を事前にどこまで明らかにするかは、集客に大きく影響を与える部分だが、「真白の恋」についてはほとんど隠すという手法のようだ。
富山県民なら「オール富山ロケ」というだけで、「見ようかな」って思うけど全国的にはどうなんやろ?そこらへんも個人的に楽しみ。
真白の恋|ロケ地
僕が現在知る限りのロケ地を整理してまとめてみた。
・新湊 内川
・放生津八幡宮
・しぶやサイクル
・野村屋餅屋
・アミヤ写真館
・万葉線「越ノ潟駅」
・呉羽山
・mobler cafe
・立山
大半は『人生の約束のロケ地』と同じなので、一度も行ったことがない人はこの記事を読むとイメージが掴みやすいはずだ。
富山県ロケーションオフィスの誘致が強いのか、新湊民の協力がいいのか。
新湊民は『新湊曳山祭り』でもすごい盛り上がりと団結といい、かつての新湊高校が甲子園でベスト4まで行った「新湊旋風」のときの応援団の気合といい、景色や雰囲気がいいというだけではない良さが新湊内川周辺にはありそうだ。
僕のばあちゃんちがあるので、ちょっと褒めとく☆
真白の恋|公開記念特番
vimeoに、『真白の恋の効果記念特番』がUPされている。
これを見ると、どんな風に真白の恋が出来上がってきたかが、より詳しくわかる。
真白の恋|受賞履歴など
・なら国際映画祭2016 インターナショナルコンペティション部門、観客賞受賞
・TAMA CINEMA FORUM ある視点部門
・第二回新人監督映画祭コンペティション部門
・あきた十文字映画祭 正式出品
・福井映画祭 コンペティション部門 ノミネート
・文部科学省選定作品
真白の恋|宣伝コラボ商品
・富山アルペン乳業「真白の牛乳」
・餅とお菓子ほんごう「真白の大福」
・さわや食品「真白の昆布パン」
・徳永食品「真白の白モツ」
真白の恋|DVDとブルーレイ
2017年の11月8日に、映画「真白の恋」のDVDとBlu-rayが発売!
富山オールロケの映画なので、富山の綺麗な景色をいつでも見られる。
まとめ
すべてのロケを富山でやって、監督も富山出身・在住の坂本欣弘さんが務める富山づくしの映画「真白の恋」。
クラウドファンディングで資金の調達も行い、かなり紆余曲折も周囲からの賛否両論もあったんだろうなぁと勝手に想像している。
でもこうして1本の映画が出来上がり、見ることができる。「人生の約束」のときのようにまた富山の新しい一面が観れるというのは嬉しい。
立山のロケも天気が良くすごく綺麗で壮大なシーンが撮れたと聞いたので、その映像も楽しみ。
これは富山県民として見に行くしかないだろう。
けど「真白の恋」の宣伝をかねた昆布パンなどが、大阪屋の半額ボックスに大量においてあるのには、ちょっと胸が痛んだ…。