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【山崎亮 講演会】コミュニティデザインで意識する「まちづくりのポイント11個」

更新日:

山崎亮(コミュニティデザイナー、スタジオ エル代表)講演会

山崎亮さんは、studio-L(スタジオ エル)代表で地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに関わる人物だ。

僕は、「コミュニティデザイン-人がつながるしくみをつくる」を読んでどんな人物なのかとても興味があった。

なんと半ズボンでの登場!そして坊主じゃない!?

これからどんどん人口が減っていくのに、建物だけ建てても意味ないやん。これから必要なのは、人のつながり。

というような自己紹介。

人は見た目が9割という本も読んだことがあったけど、僕はその瞬間に「この人好きだな」と思った

今回の『山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会』は、高校生や大学生という若い人が4割くらい来ていた。若い人がこれからの社会に興味を持ってくれているのは希望が持てる。

では、今回の講演会で気づいたことや感じたことを自分なりにまとめてみる。「これが無料で聴けるの?」というくらい面白かったので、参加できなかった方の参考になれば嬉しい。

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まちづくりやワークショップの考え方

冒頭に山崎亮さんが語る。

高校生相手のワークショップでの話。

みんな「まちづくりアレルギー」、「ワークショップアレルギー」があるんですよ。元気のいいファシリテーターと呼ばれる人物が出てきて「さぁ、みなさんでブレインストーミングをやりましょう!他人の意見は否定してはいけませんよ」なんて風に始まる。そして、真っ白な模造紙とマジックが出てくる。

昔は「まちづくり」や「ワークショップ」も新しかったので興味を持たれたが、今ではそのワードが出た瞬間にちょっと嫌な顔をする人や「もういいよ」的な空気が流れる。

まずは、それをどう払拭するか?から始まるんですよ。

ポイント

思わず笑ってしまった。

あなたも山崎亮さんが語ったような場面に出会ったことがないだろうか?もしくは自分でこのような場面を作ったことがないだろうか?

そのワークショップは、みんなが楽しそうに積極的に取り組んでいただろうか?

「相手はどう思うか?」を考え、「相手の反応を観察する」。

これは、すべてのことに共通する鉄則な気がする。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会1ただの模造紙ではなく、人生ゲームのような形式にしてその地域の課題や問題をちりばめる。

高校生に楽しんで自分たちの街の課題や問題を知ってもらうことが目的。

問題を知ってもらった後は、その問題についてどうやったら解決するかを考えてもらう。

例えば、シャッター街になっている商店街のシャッターを上げるにはどうすれば良いか?

これに対して10秒くらいでどんどん自分の意見を言ってもらう。みんなからの「いいね!」がたくさん集まった人がこのゲームの勝者。

興味を持ってもらったところで、次の宿題として自分の地域の商店街について調べてきてもらう。

ポイント

自分たちは依頼者からお金をもらって最低限の話をしてその時間が終わればそれでいい。こんな考えはきっとない。

高校生は、学校の授業で強制的に参加しているだけで興味がないかもしれない。どうすればそんな高校生たちが自主的に興味を持ってくれるかを、しっかりとストーリー仕立てで構成している。このような工夫がすごく大切。

山崎亮さんが講演会で意識していること

人と話すときは、5分に1回は笑いを入れるようにしている。

人は、演説は聞かないんですよ。人に話を聞いてもらうためには、演説ではなく演技。ただ話をするだけではなく、人に聞いてもらう工夫をすることが大切。

学校の授業のように先生が一方的に話をして、それを聞かない方が悪いというのはダメ。

ポイント

自分が人と話をする立場になったときに、もし相手が話を聞かなかったら、それは相手が悪いのではなく自分が悪いという意識を持つこと。それは、自分の話がつまらないからか、声に抑揚がないからなのか、相手が知りたいテーマじゃないからなのか、原因はいろいろと考えられる。

どうすれば相手が満足するのか?

それを常に考えて改善していくことが、必要なのだ。

香川県観音寺(かんおんじ)のshop in shop事例

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会2

62000人くらいの規模の街の商店街。だいたいこんな感じのシャッター街。

商店街の店の人は物が売れなくて、困って市役所に相談する。そこから僕たちスタジオ エルのところに話が来る。

話をしに行ってみると50歳〜70歳くらいのおっちゃん達しかいない。

そこで「最近はどんな調子ですか?」と聞くと決まって昔の話をしだす。僕たちの仕事はまずそれを受け入れて話を聞くところから始まるw

「この商店街も昔は、人がすごく多くて肩がぶつかるほどだった。それがどんどん減って、猫くらいしか歩かなくなった。今では、猫に餌をやる者もいなくなって猫も歩かない。」

という風に昔の話から、ようやく最近の話になるw

そこで「1つだけでいいから、この商店街の面白いところを教えてください。」と訊ねる。

すると全員一致の答えが返ってくる。

「面白いところなんてない。そんなのがあればこんな状態になっていない。」

ということで、その後は商店街を実際に歩いて面白いところを探す。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会3

店の中に店がある!
しかも下着屋とケーキ屋。これは面白い。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会4

また店の中に店がある!
次はクリーニング屋と餃子屋。これも面白い。

ではなぜこんな風に店の中に店がある状態になったのか?

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会5

それは、人口の減少によりお客の数が減ったために商売の規模が小さくなった。そして余ったスペースに自分の子供が商売をすることになった。そんな流れ。

大げさなものでなく数万円稼げる程度の規模の商売をしてみたい若者に、その余ったスペースを使ってもらいましょう、という話でこの自治体との1年目が終わる。

ポイント

山崎亮さんの話の中では、「なぜそのようになったのか?」を考える場面がよく出てくる。

どんなことも何か原因があって今の形になっている。その背景にあるストーリーを掴むことが、問題を解決するヒントになる。

しばらく期間が経ってからの2年目。

久しぶりにおっちゃん達に会うと、次の課題が出ていた。

「どうやったらスペースを借りて商売をしてくれる若者に会えるのか?」

これについてみんなで様々なアイデアを出し合ったが、効果的なアイデアは何も出なかった。おっちゃん達はどうしても若者とは知り合えないのか?とりあえず今日はここまで。

解散後、おっちゃん達はみんなで飲み会に行く。まちづくりのワークショップのために集まっているのではなく、その後の飲み会のために集まっているのだ。

タバコの煙がモクモクのところで、「焼酎熱燗」なんて方々ばかりのところに若者なんていない。

そこでワークショップ後の飲み会を禁止した。

そうすると、みんな1人ずつ寂しい背中で帰っていく。「飲み会」が禁止されたので、みんな各自の行きつけの居酒屋に行って飲み始める。そして飲み始めの様子をそれぞれのフェイスブックにUPしだす。

そうすると、それを見た仲間たちが自分の飲み始めの様子を連動するようにフェイスブックにUPしだす。それがどんどん連鎖的に起こる。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会6

それが楽しくておっちゃん達が作ったのがフェイスブック「今宵もはじまりました」グループ。今では、1800人以上のメンバーが集まっている。

そしてさらにおっちゃん達はフェイスブックのライブ動画「今宵もはじまりましたTV」を作り出すという暴挙に出る。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会7

でもこの「今宵もはじまりました」に、若者も集まってくるようになる。そしてなんとその中から店をしてみたいという若者が出てきたのだ。

まさかの展開。このようにして様々なShop in Shopが生まれた。

例えばビリヤードバー仏像屋。

ビリヤードのプレイの観客は全て仏様。すごい観客の前でプレイができるw

ポイント

事前に考えることも大事だが、解決策がどうしても出てこないときは、とりあえず動いてみる。そうすると、それを始める前には想像もしなかった手段や結果が出てくることがある。頭の中だけで全てが解決することはない。

若者が一緒の店舗で店を出すと、年配の方の動きが変わってきた。もう70歳を過ぎる年齢の方も、若者のためにシャッターを上げるようになったのだ。

70を過ぎるともう、自分のためだけでは店を開けられない。「若者のため」という意義があると開けられるのだ。

年配の方と幼児を施設で一緒に遊ばせるところも富山でもちらほら見かける。昔は同じ家の中におじいちゃんおばあちゃんがいて、遊んでくれたり折り紙や編み物を教えてくれたりしていた。

その繋がりが年配の方に力を与えていたように思う。近所の赤ちゃんや、自分の孫、ひ孫を見るときの年配の方の目は優しさに包まれる。それがとても良い刺激になっていたのではないかと思う。

山崎亮さんが支援するときに意識していること

僕たちスタジオ エルは、基本的には自治体から依頼を受けてその地域の繋がりをデザインする。

依頼する側は、大体100万人は集めたいといった要望を上げてくる。でもただ数を集めるだけでは、意味がない。もしも100万に集まったとしても、その3割ほどしか満足していないのでは意味がない。

ただ決まった数を集めるよりも、例えば10万人が満足して何度も来てくれる方がいい。

そして、僕たちスタジオ エルが関わっているときだけ、活動が続くというのでは意味がない。ただ支援するだけではなく、その地域の人たちにノウハウが残るように意識している。そうじゃないとその地域の活動が続かない。その地域を変えていく中心は、やはり地域の人。

そのために、地域の人たちに答えを与えるのではなく、質問攻めにする。

なぜこんな状況になっているのか?どうすれば解消するのか?などなど多くの質問をして、その中から自分たちで次の行動を考え、動いてもらうようにしている。

例えば、行政が出す広告はダサい。内容はいいのに広告がダサいのでそれだけで見てもらえないことがある。

そのような場合は、写真の撮り方や文字の置き方、文字の大きさや間隔、そういったことを教える。実践してもらう。

そうすると、少しずつ良くなる。写真なんかもどのように撮れば、あとあと文字が置きやすいかなどを意識して撮れるようになる。

ポイント

人に頼りきりでは自分の力がつかない。

カーナビを使っていると道を覚えられない。問題が起こった時に全て上の人に任せていたら、自分1人にされたときに何も対応できない。着替えを出してもらって、お茶やコーヒーを出してもらっていたら、1人では生活できない。

お腹が減っている人がいたら、魚を捕ってあげるのか、釣りの仕方を教えてあげるのかの違い。

本当に社会を良くするには、自分自身で考えて動ける人を増やさなければいけない。会社でもそうだと思う。

広島県(しまのわ)のおかんアートの事例

地域の面白い人に会いに行くツアーを企画した。

瀬戸内国際芸術祭のように各地に芸術作品を見に行くのではなく、そこにしかいない面白い人に会いに行く。そしてそこでしか味わえない体験をする。

例えば、その地域で普段つけている漬物を一緒につけるというような体験。

これは、観光から関係を作るというコンセプト。

そこだけにしかないものを体験してもらうことで、もう一度来たくなるというもの。

そこで出た案が「おかんアート」。

おかんアート
余った布の切れ端などを利用して作られる主に中高年の母親が作る自宅装飾用の作品。ドアノブカバーやテッシュケース、謎の飾りなどのこと

この地域でふと見かけた「おかんアート」がすごく良かったので、おかんアート美術館をやりましょうという話をする。

当初の目標は1週間で20人くればいいと思っていた。おかん達もこんなのに人が来るわけはないと口々に言っていたが、とりあえず来てくれた人にお礼の折り紙を20個用意していた。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会8

そして当日。1日で予想を大きく上回る100人以上が訪れる!

用意していたアンケートもお礼の折り紙も全然足りずに、大慌てのおかん達。結局1週間で約800人が訪れる。そのほぼ全てが女性。

回収したアンケートは、無回答を除くとすべてが満足。満足度は95%。

行政が市民を受け入れるのではなく、市民が市民を受け入れるので大変満足度が高い結果になった。

ポイント

人が来てくれるだけで、そこに活気が生まれる。そして自分の作品を見てくれる人が来てくれるということは、とても嬉しい。笑顔が生まれる。

人と人が合って話をするだけで、そこには様々な刺激が生まれる。これは、ボケ防止などの健康寿命の延長にもつながる。

どこでも見られるものでなく、その地域でしか味わえないものをきちんとアピールすれば、どんなものでも需要はある。普遍的なものではなく独特なものの方が特定の人を惹きつける。そして、その人たちはそこでしか味わえない体験をするために、また来てくれる可能性が高い。

広島県(しまのわ)の狼煙リレーの事例

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会9

デイサービスで折り紙や健康体操なんて洒落臭いとばかりに、1人の年配の男性が狼煙を上げたいと言い出した。

そうすると周りのおっちゃんたちも賛同する。狼煙には、男を惹きつける何か独特な魅力があるようだ。

そして企画が立ち上がる。

とりあえず山の頂上で狼煙を上げてみるが、うまく上がらない。そんな時に向の山から応援狼煙が上がる。他の島のおっちゃんにも賛同者がどんどん現れる。

愛媛県21団体、広島県30団体、呼びかけていない山口県でも6団体が集まった。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会10

そこでうまく狼煙を上げるために狼煙マニュアルを作成する。どうしたら一直線の綺麗な狼煙が上げられるのか。消防に提出する書類などについて詳しく説明されている。

隣で狼煙が上がるのを見て、次が上げるというリレーのため、狼煙が見える範囲が知りたい。本当は専門家読んで検証してもらうところだが、ネット上で呼びかけて、見えた人はGPS機能をオンにしてつぶやいてもらうことに。

当日はなんと曇り。当事者たちは上がったことに喜ぶが、ネット上では「今日やってますか?」「狼煙上げてますか?」のつぶやきだらけ。

狼煙リレーの目標は、広島発平和の狼煙でノーベル平和賞をとること。関係のありそうなところに呼びかけのFAXを送りまくる。

一見無意味なことのようだが、この活動をすると山頂を掃除するのですごく綺麗になる。そしておっちゃん達が元気になる。

そして、やっていて楽しいから活動が続く。

ポイント

自分が好きなことをやって、自分たちが一番楽しむこと。

好きでやっていたはずなのに、いつの間にか重荷になっていたりする。

例えば何かイベントを立ち上げたとき、当日の運営や参加者への気配りで自分が全く楽しめない。そうなってしまうと続けるのが難しくなる。

活動を継続するために大切なのは、自分たちも楽しむこと。

医療と福祉の現場に呼ばれることが増えた

山崎亮さんは、さらに語る。

私たちstudio-Lは最近、医療や福祉の現場に呼ばれる機会が増えた。

これからは、日本を健康長寿の国に変えていくのが使命。日本は平均寿命は長いが健康寿命はそう長くない。むしろ寝たきり期間は世界で1,2位を争う。

要するに、病院でチューブに繋がれて生きている人が多い。そしてその人たちにかなりの医療費を使っている。

寝たきりの期間を減らすこと、つまり健康寿命を伸ばさないと税金がどんどん高くなることになる。

健康寿命を延ばすために必要なことは、わかっている。

1.適度な運動
2.バランスのとれた食事
3.社会参加

この中でも社会参加が一番難しい。

定年退職するとずっと家でテレビを見ていたりする人が多い。その人たちは、バブルの時期を過ごした人で、無理して働かなくても生活できる人が多い。

そのような人や、高齢者にどうやって社会参加してもらうかが一番の課題になる。

行政は手続きや制度などは得意だが、人の気持ちを動かして行動を促すことが苦手。

高齢者に社会参加してもらうには、「香川県観音寺(かんおんじ)のshop in shopの事例」で説明したような、自分のためだけではなく人のために店を開けるという気持ちや周りの人との繋がりや楽しさが重要。

ポイント

自分だけのためではなく、人のために何かをしてそこから得られる体験や付き合いが楽しいと感じられるかどうかが、とても重要。

そして本当に末期の高齢者に使われるお金については、考えないといけない。

僕の家もそうだったが、祖母が骨折で入院してから一気に痴呆症が進んだ。そして90過ぎの祖父が生きるための手術に400万円以上かかった。実質負担は1割だが、そのお金があれば困っている子供を何人救えるのかととても疑問に思った。

もちろん賛否両論あると思うが、少なくとも僕が祖父の立場ならそのお金は、これからの未来がある子供のために使って欲しいと思う。

小豆島の醤油のたれ瓶アートの事例

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会11

小豆島の観光案内所は「んごんごクラブ」が運営している。

んごんごとは、セミの幼虫のこと。観光案内所の看板は、セミの抜け殻でできている。

この島の人は、不要なものを再利用するのが得意。

その理由は、ここが島国だから。

例えば冷蔵庫を廃棄すると、船を使用しないとダメなので廃棄料が17000円ほどかかる。だから不要な冷蔵庫は畑に置かれ、鎌やクワを入れるために使われる。

また小豆島では醤油が作られており、島の人間は醤油の瓶を光に透かして酸化しているかどうかをチェックするほどこだわりがある。酸化している醤油は、黒く濁っていて鮮度が落ちている。

弁当のたれ瓶の醤油もこの島で作っているが、弁当の規格が変わるとたれ瓶も変わるために、たれ瓶が大量に余るという問題がある。10万個くらいのロットで頼むので、途中で規格が変わると残りの全てが不要品になってしまう。

その問題を解決するために、瀬戸内国際芸術祭に向けて、醤油の入ったたれ瓶で「醤油の壁」を作るという企画が生まれた。

醤油のたれ瓶に酸化度の違う醤油を詰めて綺麗なグラデーションの醤油の壁を作るというものだ。

醤油が入ったたれ瓶が8万個必要な計算で、老人ホームのおばあちゃんや幼稚園児にも醤油詰めを手伝ってもらった。たれ瓶詰めに関わった人数は350名。

写真のような見事なたれ瓶が出来上がった。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会12

この作業の中心になったひしお(醤)会のメンバーは、瀬戸内国際芸術祭後もまちづくりの活動を続けている。この時の作業で結束が強まったのか、自分たちでTシャツまで作っていた。

ポイント

その地域の人々が得意なことを見つけて、それを活かすことでその地域独特の特徴が出る。そして、みんなで大変な作業を乗り越えると、より強い結束が生まれる

小豆島町コミュニティアートプロジェクト

企画を立てるときに必要な考え方

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会13

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「やりたいこと」「できること」「地域が求めていること」の3つが重なる部分に企画があると思っている。どれが欠けてもダメ。

今回挙げた事例では、「観音寺のShop in Shop」では、商売×場所を貸す×活気が重なる。「おかんアート」では、創作×手芸や折り紙など×人が集まることが重なる。「狼煙リレー」では、平和活動×狼煙×山を綺麗にすることが重なる。

この3つが重なると、長く活動を続けられる。

そして楽しむことがとても大事。

その楽しさについても種類があると考えている。写真を見てほしい。

山崎亮(コミュニティデザイナー)講演会14

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左右は、個人か団体かの違いだ。大勢の人と行うことの方が楽しさは大きくなる。

上下は、受動的が能動的かの違いだ。受動的な楽しみはすぐ終わるが、能動的な楽しみはより長く続く。

受動的な楽しさとは、お金を払って楽しませてもらうことだ。

例えば居酒屋やボーリング、カラオケなどだ。お金を使えば決められた時間は楽しめるが、お金がなくなったらすぐその楽しさは終わる。

お金を払う楽しさは、長続きしてしまうと儲からないので、長続きしないように出来ている。

一方、能動的な楽しみとは、自分達が自ら動いて楽しむことだ。例えば知識や情報を得ること、何かの技術を身につけること、人に感謝されることなどは、お金がなくても長い間楽しめる。

僕たちは、この楽しさの違いをもっと理解して、スマートコンシューマー(頭のいい消費者)になってもいいのでは?と思う。

美味しいものをみんなで食べた方が楽しいし、自分で楽しさを生み出す力をつけると、人生がずっと楽しい。

ポイント

ただやりたいことをやるのではなく、そこに自分ができることと、地域が求めていることの軸を加えると、企画に立体感が出てくる。地域が求めることをすれば、人から感謝され、その活動を支援・応援してくれる人も集まる。

楽しさの違いは、知っているかどうかで豊かさが違ってくる。受動的な楽しみしか知らなければ、ずっとお金に振り回されることになる。

まとめ

まちづくりといっても地域によって様々。そしてうまくいっているところは、自分たちの活動のことを誰も「まちづくり」とは思っていない。自分たちが「やりたいこと」×「やれること」×「地域が求めていること」の3つが重なる企画を始めたら、人がどんどん集まって、それが結果的にまちづくりになっているだけだ。

今回の講演会では、「Shop in Shop」「おかんアート」「狼煙リレー」「醤油の壁」の事例と、それに付随してちょっとした考え方を学んだ。

実際の山崎亮さんの話は、5分に1回の笑いを意識しているだけあって、かなり面白く会場が何度も笑いに包まれた。聴ける機会があったら是非足を運んで聞いてみてもらいたい。

また山崎亮さんは、地域のことや、コミュニティデザインについてのことについて10冊以上の本を出している

僕はまだ、「コミュニティデザイン-人がつながるしくみ」しか読めていないが、その中では、1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできること、と区別していくつもの事例を紹介してくれている。(内容は下記の目次参考)

事例を知っておくことで、自分の地域コミュニティの課題解決において少なからず役に立つ。

コミュニティデザイン-人がつながるしくみ」の目次

「つくらない」デザインとの出会い
1.「公園」をつくらない
2.ひとりでデザインしない
3.つくるしくみをつくる

つくるのをやめると、人が見えてきた
1.まちににじみ出る都市生活
2.まちは使われている
3.プログラムから風景をデザインする

コミュニティデザイン
1.ひとりから始まるまちづくり
2.1人でできること、10人でできること、100人でできること、1000人でできること
3.こどもが大人の本気を引き出す

まだまだ状況は好転させられる
1.ダム建設とコミュニティデザイン
2.高層マンション建設とコミュニティデザイン

モノやお金に価値を見出せない時代に何を求めるか
1.使う人自身がつくる公園
2.まちにとってなくてはならないデパート
3.新しい祭り

ソーシャルデザイン
1.森林問題に取り組むデザイン
2.社会の課題に取り組むデザイン

是非とも手にとって読んでみてほしい。

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