2017年8月5,6日に日本百名山に登録されている富山県の「薬師岳」に登ってきた。
人生初の山岳でのテント泊。
15kgのザックを担いでの薬師岳登山は、かなりキツかった...。
薬師岳登山をしてみて、必要だと思われる山小屋(太郎平小屋、薬師岳山荘)・テント場・水場などの情報を出来るだけ詳しくまとめみた。これから登る方は参考にしてほしい。
目次はリンクになっているので、気になる部分の情報のみ、目次から自由に取得するのが時短かもしれない。
薬師岳|登山コース
日本百名山「薬師岳」の登山ルートは、写真の通り。
折立(おりたて)から登り始め、太郎平小屋or薬師岳山荘orテント泊の一泊二日のコースが一般的だ。
折立から薬師岳山頂までをいくつかの区間に分けて、その感想をまとめてみた。
有峰林道有料道路
薬師岳の登山口である折立へ行くには、有峰林道有料道路を通らなければいけない。
有峰林道のゲートが開いている時間は、6:00〜20:00。
僕は5:50位に有峰ゲートに着いたのだけれど、すでに写真のような列ができていた。写真は6時にゲートが開いてから10分ほど経った頃なので、20~30台は並んでいたんじゃないかと思う。
有峰林道有料道路の料金
区分 | 料金 | ナンバー | 該当車両 |
---|---|---|---|
大型車 | 4400 | 2ナンバー | 乗合自動車(バス:乗用11人以上) |
1ナンバー | 貨物自動車(トラック等) | ||
9ナンバー 0ナンバー | 大型特殊自動車 | ||
8ナンバー | 特種用途の普通自動車 (小型の大きさに該当するものは除く) | ||
小型車 | 1900 | 5ナンバー 7ナンバー 3ナンバー | 乗用自動車(乗用車) |
4ナンバー 6ナンバー | 貨物自動車(トラック) | ||
小型特殊自動車 (長さ4.7m、幅1.7m、高さ2.8m以下) | |||
8ナンバー | 特種用途の小型自動車 (長さ4.7m、幅1.7m、高さ2.0m以下) | ||
自動 二輪車等 | 300 | 二輪の自動車、原動機付自転車 |
引用:ありみネット
有峰林道有料道路を通るには、普通小型車で1900円かかる。バイクは300円とかなり安めの設定になっている。
一応回数券もあって、大型車が44000円、小型車が19000円で11回分利用できる。
折立の駐車場
薬師岳登山口の折立駐車場は、無料で駐車することができる。臨時駐車場も用意されていて、かなりの台数駐車することができる。
ただ薬師岳登山口の近くから埋まっていくので、混雑している場合は、登山口まで多少歩かなければならない。
僕が行った日は土曜だったからか、駐車場に向かう道にも路上駐車されていて、もちろん通常の駐車場は満車だった。
臨時駐車場に向かう砂利道も、片側を塞ぐように路上駐車で溢れていた。
薬師岳登山口まで500mくらいの距離の草原みたいな場所があったので、そこに停めることができた。
富山県の立山が混むのは知っていたが、通るだけで1900円かかる折立の駐車場がここまで混むとは思っていなかった!
車のナンバーを見ると、半数以上が県外ナンバー。富山は中心街には人がいないけど、こんな山奥に人がいることを初めて知ったw
薬師岳登山口
薬師岳登山口は、標高1356m。
ちょっとした広場のようになっており、トイレと自販機がある。
自動販売機の飲み物の値段は、通常サイズが130円、500mlのペットボトルが180円と通常料金より20円高い設定だ。
行きは買わなかったが、帰り道やっとかっとたどり着いたときは思わずリアルゴールドを買ってしまったw
折立〜三角点
薬師岳登山口から三角点までは、2時間ほどで500m以上の高さを登るので、かなりハード!
写真のような大きな木があり、木の根っこで作られたような階段状の道が多く、1段1段の高さがあるので太ももの筋肉を使い乳酸が溜まりやすい。また下りのときも、足への負担が大きくキツい...。
僕は帰り右の膝が痛くて、右足から着地するしかできなくなったので、段差ばかりのこのエリアを下りるのが一番辛かった...。
三角点の近くの休憩スポットには、アラレちゃんが描かれた看板がある。
なぜアラレちゃんなのかは全くの謎だが、そこで休憩していた人は「よくブログなんかにUPされてる有名スポットだよ」と言っていた。
三角点〜太郎平小屋
約2時間ほどで、三角点に到着する。
ベンチがたくさん置いてあって、ここで一息つく人が大勢いる。ハードな登りを登りきった感から休憩が気持ちいい。
でも、ここから太郎兵衛平(2330m)までの460mほどの高度の登りが、今までの登りとは違う種類でキツい。
三角点から太郎平小屋は、今までのように段差のある階段状の登りではなく、ダラダラとずっと続くタイプの登りだ。
写真のような小石がたくさんあるタイプの道。
大きな石が敷き詰められた、石畳のような道。
そして木道と、主に3パターンの道を登っていくことになる。
でも本当にこれでもかというくらいにずっと登りが続き、正直何度か心が折られそうになる。途中からは万里の長城のように見えてきた。行ったことはないけども...。
途中、目立ちたがり屋の雷鳥が、写真を撮られに出現したり。
赤鬼を連想させる謎のモニュメントが出現したりと、一瞬キツさを忘れさせてくれるイベントが発生するが、やはりずっと続く登りは地味にキツい。
折立の薬師岳登山口から約4時間。ようやく太郎兵衛平の太郎平小屋にたどり着いた。
このときの開放感は半端なかった!15kgのザックを静かに降ろし、早速アルコールを買いに行った♪
キリン缶チューハイ(グレープフルーツ)400円が、神がかって美味かった☆太郎小屋やテント場で宿泊する人は別にいいが、薬師岳山荘に宿泊する人はここから2時間ほどキツい登りが待っているので、呑みすぎないようにマジで注意した方がいい。
太郎兵衛平は、写真のように広場になっていて、テーブルと椅子が多数設置されているのでゆったりとご飯を食べられる。
トイレ(100円)と水場(要煮沸)もある他、名物の太郎ラーメンやカレーなんかも食べられる。
太郎平小屋の詳細情報については、山小屋情報にまとめて記載する。
太郎平小屋〜薬師峠のテント場
テント場の薬師峠までは、太郎平小屋のある太郎兵衛平から30分ほど。
太郎兵衛平からは、黒部五郎岳、雲ノ平にも行くことができる。
太郎平小屋から、木道や軽い平地を20~30分歩くと、薬師峠のテント場が見えてくる。
今までの登りに比べると、マジで一瞬のような錯覚を覚える。
僕がテント場についたのは12:30頃だったが、その時間であればまだ全然空きがあった。昼ごはんを作って食べ終わり、一眠りした16時頃には、ほとんど満員のような状態になっていた。
薬師峠〜薬師岳山荘
テント場の薬師峠から薬師岳小屋までは、約90分。
前日の夜雨が降ったのもあってか、序盤は沢登りのような状態。足場の岩も濡れていて滑りやすいので気をつけた方がいい。そして傾斜も結構あるので、思ったよりもハードな登りだ。
だいたい60分ほど登ると、薬師平。
ここまでくると景色も変わり、残雪が残っていたりと、だいぶ開けた風景を楽しめる。
しかし、僕は日の出を見たくて夜の2時に出発したが、真っ暗闇の中の登りは結構怖かった。序盤の沢登りの部分は道が限定されていて迷う心配はほとんどなかったが、開けてくると広大すぎて進む道が分かりづらいのだ。
なんとか岩に描かれた「○」を探して登ったが、途中ガスってきてかなり怖かった。
夜登る人は、ヘッドライトは必需品だ。
夜の真っ暗闇の登りだったが、90分予定のところ75分くらいで薬師岳山荘に到着した。
荷物が軽かったのと、十分に休んだ後で体力が一番あるときだったから早く登れたようだ。
薬師岳山荘〜薬師岳山頂
薬師岳山荘から山頂までは、約60分。
小さな砂利の道がほとんどで、途中多少岩場のような道もあるが、今までに比べるとそこまでキツくはない。
テント泊の人も山小屋泊の人も、基本的に荷物を置いて軽い状態で登る形になるはずだ。
僕は日の出時間5時を目指して、4時に薬師岳山荘を出発したが、4:20くらいまでは真っ暗でヘッドライトがないと何も見えない状態だった。途中からは目が慣れてくるのと徐々に明るくなってくるのとで、ライトがなくても大丈夫だ。
同じような時間帯に出発する人が数人はいると思うので、大勢で登った方が明るくて道が見やすいのでいい。
薬師岳山頂
薬師岳山頂からの景色はかなりいい。
この日はガスっていてご来光は見えなかったが、しばらくするといい具合に霧が晴れて雲海のようなモノも見えた。緑と青と白の絶妙な色合いが本当に美しい。
薬師岳登山は正直かなりキツかったけど、この山頂の景色や空気を体感すると、やはり登ってよかったなと思う。
写真を撮ってワイワイできるので、僕は単独登山よりも友達と登る方が好き。
煙突から煙が出ているような槍ヶ岳も見えた。
雲も霧もない状態で、ご来光を見れたら相当綺麗なんだろうなぁ。
薬師岳|山小屋やテント場
泊まりの登山になると絶対に必要なのが、宿泊する山小屋orテント場。
薬師岳の宿泊施設の料金や綺麗さ、売店の販売物、食べ物、水場の情報などを分かる限りまとめておく。
太郎平小屋
宿泊料金
1泊2食+弁当 | 10500 |
1泊2食 | 9500 |
1泊夕食 | 8500 |
1泊朝食 | 7700 |
素泊まり | 6000 |
夕食のみ | 3000 |
朝食のみ | 1800 |
弁当 | 1000 |
※2017年8月6日時点の情報
売店メニュー
太郎ラーメン(行者ニンニク入) | 1000 |
ラーメン | 800 |
ネパールカレー | 1000 |
カレー | 800 |
うどん | 900 |
おでん | 500 |
みそ汁 | 100 |
※大盛りは+100
薬師岳や太郎平小屋、黒部五郎岳の記念バッジやキーホルダーも販売している。
水場
太郎兵衛平の水場はこんな感じだ。
普通にペットボトルに詰めて行く人が結構いたが、一応煮沸が必要とのこと。お金はお気持ちで募金制のようだ。
トイレ
太郎兵衛平のトイレは、こんな感じで山のトイレにしては結構綺麗。トイレットペーパーも備え付けてある。
利用には、チップ(100円程度)が必要だ。
薬師岳|薬師岳山荘
薬師岳山荘はしっかりしたHPがあるので、薬師岳山荘HPを参考に。
宿泊料金
1泊2食 | 9700 |
素泊まり | 6500 |
弁当 | 1100 |
売店メニュー
薬師岳山荘の食べ物メニューは、牛丼からぜんざいまでかなり豊富だ。
薬師岳バッジもあるが、ここだと600円。太郎平小屋だと500円だったので種類とかが違うのかも。
水場はちょっと見当たらなかったが、HPには「天水のためそのまま飲むことはできない」と記載されている。ミネラルウォーターは500円で販売している。
トイレ
HPで見ても、宿泊した友達に聞いてもかなり綺麗なようだ。
女性でトイレの綺麗さが気になる方は、薬師岳山荘のトイレを利用した方がいい。利用料は300円(宿泊者以外)とちょっと高いが、それだけ綺麗にしているのであれば納得の行くお金だと思う。
薬師平|テント場
薬師平のテント場は、ネットの情報によると100張くらいは張れるようだ。
テント場の料金
テント場の代金は、1張1000円。管理所兼売店に料金を支払うと、札をくれるのでそれをテントに付けておく形だ。
管理所は17時までなので、気をつけよう。その後は、太郎平小屋とかで支払う形になるのかもしれないが、ちょっと分からない。
売店メニュー
缶ビール350ml | 600 |
缶ビール500ml | 800 |
缶ビール1000ml | 1300 |
コーラ350ml | 400 |
CCレモン 350ml | 400 |
管理所が売店の役目も果たすので、17時までは購入することができる。
太郎平小屋にあった缶チューハイやワインはないので、欲しい人は15分ほど歩いて買いに行く必要がある。缶チューハイは置いて欲しい。
冷蔵庫などはないので、写真のように昔ながらの冷やし方w キンキンに冷えているわけではないが、まぁまぁ冷たい。
水場
薬師平のテント場にある水場は、ずっと水が勢いよく出ている。
しかも2〜3回手ですくって顔を洗うと、手がかじかむくらい冷たい。そのため持ってきたお酒をここで冷やしている人もいる。
スタッフに確認したが、ここも一応飲料用ではないため煮沸が必要とのことだ。
山でこれだけ豊富に水があるのは、かなりありがたい。
トイレ
薬師平のテント場のトイレも、めちゃくちゃ汚いというワケではない。好んでは座りたくはないけど一応は大丈夫、といった程度だと思う。太郎平小屋のトイレの方が気持ち綺麗な感じ。
横のポンプが機能していないので、水をコップですくってかける必要がある。
テント場のトイレも利用には、チップ(100円)が必要だ。
まとめ
テント泊初心者が登るには、薬師岳登山は正直かなり厳しかったw
15kgほどのザックを担いだことがない人は、他の山で様子を見てから薬師岳に行くことをオススメする。
あとやはりトレッキングポールがあった方が、途中の道は楽だと思った。体重と荷物の重さの全てが足にくるのと、ポールに多少逃がせるのでは、足への負担が全然違う。僕は今回、右膝が痛くなって下りがめちゃくちゃキツかった。次回は絶対にポールを忘れないようにしたい!
あと、今回かなり使えると実感したのは、日清から出ている「カレーメシ」だ。お湯を入れて5分待つだけで、結構美味しいカレーが食べられる。しかも1個約200円という安さ。
以前、アルファ米とインスタントカレーでカレーライスを作ってみたが、高ついた割に対して美味しくなかった...。しかも容器などが汚れるので洗うのが面倒。
しかしカレーメシなら、200円で作れて、容器は紙なので持ち帰って捨てればそれで終了だ。登山者には、めちゃくちゃ便利だと思う。食べたことがない人は、ぜひ一度試してほしい。
しかし個人的に一番びっくりしたのは、人の多さだ。富山県の山奥に、少なくとも1,900円支払ってこれだけ大勢の人がいることに正直ビックリした!
富山の街中に人を呼ぶために税金を使って映画館だのなんだの作っているが、百名山のトイレや道などの環境整備に使った方が、費用対効果が倍以上いいんじゃないかと思ってしまった。
初めて薬師岳に登ったのだが、いろんな発見があった。富山には知らんだけで、まだまだ面白いことあるんやろうなぁ。