2018年1月17日の北日本新聞の一面に、高岡市末広町商店街のアーケードパネル落下の記事。
前日にもニュースになっていた。
老朽化と大雪が原因となっているが、同じようなリスクは富山県内のアーケードのある商店街ならばどこでもあるのではないだろうか?
高岡市のアーケードの情報を元に、ちょっと調べてまとめてみた。
高岡市末広町のアーケードの状況
高岡市末広町のアーケードの屋根の樹脂パネルが、雪の重みで割れて破片が落下。
16日にまでに、なんと70枚ものパネルが割れているという。
1〜2枚の話かなと思ったが、これだけの枚数になると突発的な雪のせいだけでなく、全体的な老朽化があると思われる。
現在まで、けが人は出ていないとのこと。これは幸運なことだが、次のようにもとれる。
これだけの枚数が割れているなら、人通りの多い商店街ならば人に当たっていてもおかしくないが、それだけ人通りが少ないということだろうか…。
高岡市のアーケードは、大通りの左右両側にそれぞれ300m、1991年に完成したもの。
約30年ほど経っていて、5年ほど前からパネル交換を進めている。昨年は、約30枚を交換したようだが、今年も損傷は拡大している。
もし昔のように繁盛していてお金のある商店街なら、意外と簡単に修理や新調ができたかもしれない。
しかし、70枚割れても誰にも当たらない商店街なのであれば、昔のように繁盛しているとはいえないだろう。
しかも、シャッターになっている店舗なども含めると、商店街の全員から同じようにお金を集めるのは難しいだろう。組合などにもそこまでお金はないのではないだろうか。
高岡市の財政も、日々散々ニュースで報じられている。
財政が破綻した夕張市の悲惨な状況をニュースでみたことがある人は、どれくらいいるだろう?
人口減少で市の歳入が確実に少なくなるこれから、現実的な課題がリアルに目に見えてきているように思える。
富山市総曲輪通りのアーケード
高岡市のアーケード老朽化というならば、富山市中心街のアーケードは大丈夫なのかと気になった。
調べてみると、総曲輪通りのアーケードについては2014年10月25日の北日本新聞の記事で、北陸新幹線の開業に向けて改修を進めると書かれている。
総曲輪通りのアーケードは、1953年に北陸初のアーケードとして完成。1963年の三八豪雪で壊れて、2代目に生まれ変わった。
1989年には、約2億5000万円をかけて大規模改修も行なっている。
2014年のこの記事によると、全長265mのアーケードの屋根板のうちの約3分の1を取り替えると記載がある。さらに骨組みや天井の再塗装、蛍光灯214本を全てLEDに切り替えるとも書かれている。
総曲輪商店街の照明がLEDになっているかどうかなんて、全く意識したことがなかったけど、今度総曲輪通りに行くときにはちょっと意識して見てみることにする。
この記事をみる限りでは、総曲輪通りはまだ安心な印象を受けた。
魚津市のアーケード
アーケードの老朽化について調べていると、2017年3月9日の中日新聞に魚津市のニュースも載っていた。
「魚津市内最大の商店街「中央通り名店街」は、老朽化で腐食が進むアーケードの撤去を検討している」というものだ。
多大な費用がかかるので、補助制度を探しているが見つからないとのこと。
その後どうなったかは分からなかったが、アーケードを持つ商店街では似たような問題が勃発しているのは間違いない。
まとめ
高岡市のアーケードが大雪と老朽化によって落下。
こんな記事がなければ、意識的にアーケードを見る機会もなかったはずだ。
当たり前のように雨や雪を防いでくれているアーケード。それが落ちてくるなんて想像もしてなかったけど、考えてみれば僕たちの代わりにずっと雨風に晒されているのだから、老朽化してくるのは当然。
大抵の場合、今まで上手くいっていたのが嘘のように、問題は一気に押し寄せてくる。それが世の常。
人口減少に伴う問題は、これからもどしどし出てくるのだろう…。
ちなみに2017年1月18日の日経新聞には、人口減少に伴い地方インフラは縮小する方向との記載があった。新設インフラは、ほとんどの市町村で作らずに、既存のモノを維持していく方針らしい。
コンパクトシティを進める富山でも、いかに縮小していくかという方向は変わらないと思われる。
とりあえず安全のために、これからは感謝と共に「屋根」も意識して見た方がいいかもしれない。