若者が活躍しやすい街を目指すため、高校生が考える企画を実行するための予算1000万円。
「“若者が活躍する”ということ」というイベントに参加して話を聞いてきました。
イベントに参加して感じたことは次の3つ。
- 若新雄純さんの考え方が面白い
- 若新雄純さんを呼ぶ企画をプレゼンした職員がいる南砺市が熱い
- 未知なことへ積極的に挑戦する田中幹夫南砺市長が面白い
若新雄純氏と田中幹夫南砺市長の話を聞いて、思ったことを簡単にまとめてみました!
高校生が考える1000万円企画
南砺市には「若い世代の人口流出」という課題があります。
その課題解決の糸口となる何かを発見するため、新年度に行われるのが「高校生が考える企画を実行する事業」です。
人口流出はすぐに解決できるものでもないし、ちゃんとした答えがあるわけでもありません。
でもなんとかしないといけない問題。
そこで目をつけたのが、高校生世代の若者。そして福井のJK課をプロデュースした若新雄純さん。
経験と知識がある大人ではなく、未来への可能性を秘めた若者に着目したのが面白い点です。
若新雄純さんってどんな人なの?
若新雄純さんってどんな人なのか?
ウィキペディアには次のように書いてあります。
福井県三方上中郡若狭町出身。会社経営の他、大学教員(非常勤)を兼任。新しい働き方や組織、地方創生・まちづくり、キャリア・教育などに関する社会実験的な企画のプロデュースや研究を行う。ニートが取締役を務める「NEET株式会社」の代表取締役会長、福井県鯖江市のまちづくりプロジェクト「鯖江市役所JK課」のプロデューサーなどを務め、2014年ごろからニュース・ワイドショーなど多数の番組でコメンテーターとして出演する。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
引用:Wikipedia
茶髪で派手な服を着ているので、一般的で常識的な目で見るとあやしい人…。
でも話を聞いてみると、世間一般的な形だけの常識にとらわれずに話をするのでめちゃくちゃ面白い人物です。
今回のイベントで聞いた話に近いものを、TEDでも話しているので気になる人は聞いてみてください。
ちなみに、今回のイベントの様子はYouTubeでも見られます。
ただし音声がかなり悪いので、ほとんど聞き取れません…。でもスライドは見られるので参考にしてください。
ちょっと音声が悪いんですが。https://t.co/D5klCAycxr
— 田中幹夫@富山県南砺(なんと)市長 (@tanakatoga) March 13, 2021
若新雄純の話を聞いて思ったこと
若新雄純さんの言葉を簡単にまとめると次のとおり。
- 正解がない
- 目標と計画がない
- 問題があるから若者が出ていくわけではない
- 若者の方が新人類
- 線形と非線形
- 議論が起きることに価値がある
- 若者へ託すということ
若新さんの言葉と話をもとに僕自身が感じたことを説明していきます。
捉え方によっては批判ぽく感じる部分もあるかもですが、そんな気はサラサラないので流してください。
正解がない
まちづくりに正解はありません。
世界や日本各地で成功事例はあっても、それをそのまま持ってきても成功するとは限りません。
一直線に正解に行く道はないけど、社会実験的に色々やっていけば「発見」と「学び」があります。
その「発見」と「学び」をもとに、自分達の街はどうなっていけばいいのかみんなで考えていくこと。遠回りにも見えますが、それが正解への近道です。
目標と計画がない
若新雄純さんがプロデュースしたJK課には、目標と計画がなかったそうです。
1年で◯人の移住者を増やす。いつ誰が移住してくるかなんて分かりません。1年以内に移住することかどうかは、移住者が決めることです。
目標や計画が明確に決まっていると、そこから生まれるものは既存のモノで女子高生だからこそ生まれるものではありません。
そして、枠やレールを敷かれると女子高生達の主体性が失われます。
今回の南砺市の高校生1000万事業でも、南砺市の高校生だからこそ出てきた企画が生まれることが楽しみです。
問題を解決したからといって若者が残るわけではない
例えば、富山にオシャレな店がない、だからオシャレな店を作れば若者は富山に残ってくれる。
買い物なんてAmazonでも楽天でも通販を使えばできるので、それが問題ではありません!
例えば、駅がダサいから綺麗な駅を作れば、若者が富山に残ってくれる。
富山駅はわりと近代的でオシャレな建物になっているので、それが問題ではありません!
若新さんはそういった「足りないものの穴埋めをしても人口流出は止まらない」と考えているようでした。
そして、その考え方にすごく共感。
「〇〇がないから減点」ではなく「新しい何かによって小さな+を加点していく」、そんな考え方がすごく面白かったです。
若者の方が新人類
「iPhone新しく出た方が最新、でも人間はなぜか年配の人の方が優秀だと思われている」
この考え方が、すごくしっくりきました。
僕が自分より若い人に接するときに感じることは、自分の意見は全て「老害」になってしまう可能性があるということ。
時代は常に変わっていて、自分自身が何か成功した経験も、もはや現代では無意味なものになっている可能性も大いにあります。
今の若者が感じていること、思っていることがきっとこれから時代の正解であることが多いはずです。
線形と非線形
ビジネスなど多くの計画は、1年でここまできたから5年後、10年後はここまでいく。そんな線形の考え方です。
でも、まちづくりはそうではありません!
すごく不確定な要素の中で、浮き沈みがあって、たまたま何かを発見してそこから何かが生まれます。
人間がからむことなので、絶対に単純な線形では表現できません。
今までは机上での説明のためにシンプルな線形で表されていましたが、まちづくりにおいて結果は出ていたのでしょうか?
もっと不確定なことを認めて、それを受け入れた上でどうしていくかを考える時代になってきているのかもしれません。
議論が起きることに価値がある
例えば、1+1=2のように答えが決まっていることに大して議論が起こるでしょうか?
何度もいいますが、まちづくりには正解はありません。
正解がないからこそ議論が起こるのです。
様々な年代、様々な人、様々な価値観でどうしていくのがいいのか議論していくことに意味があります。
若者へ託すということ
生活においてなくてはならないものは当然守らなければいけません=信用金庫のようなもの
なくてもいいけど、あるともっと面白いものにどれだけ投資できるかどうかも重要です=信託銀行のようなもの
今回南砺市が投じる1000万円は、未来への投資です。
大きく化けるかもしれないし、想像以上の成果は出ないかもしれません。
でも今まではないと困るものにお金は使われてきましたが、なくても困らないものにお金を投じることに意味があります。
1000万円を高校生という若者達に託す、そんな風に予算を使える南砺市にすごく期待を感じました。
まとめ
若新雄純氏と田中幹夫南砺市長の話を聞いて、思ったことを自分なりにまとめてみました!
学校の勉強だけをしていると、全ての物事に正解があるように思ってしまいます。
でも例えば、恋愛、結婚、子育て、人生、これ全てに明確な正解なんてないですよね?
南砺市という富山県の端っこで面白いことが起こっています。注目してみると楽しそうです。