セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・デイリーヤマザキ・ポプラなど、富山県には数多くのコンビニがあります。そして、どんな大手であろうが潰れているのをよく見かける。
そんな中で大手チェーンでもなく、近くにセブンイレブンがあるにも関わらず、それでも生き残り続けているコンビニ!!
それが、立山サンダーバードです!
北日本新聞、朝日新聞などのマスコミにも数度となく取り上げられ、北陸中日新聞では「富山遺産のコンビニ」として紹介されているコンビニ。
熾烈なコンビニの生存競争の中で、家族経営のコンビニがどうやって生き抜いてきたのか…
生存のための工夫・ネーミングや品揃えについて、立山サンダーバードについて気づいたことをまとめてみました!
コンビニ 立山サンダーバード|歴史
立山サンダーバードの開業は1996年。
滑川出身の店主、伊藤敬一さんが55歳(2020年現在79歳)の時に開店しました。
北陸中日新聞を読んで初めて知ったのですが、この方、アメリカ留学後に愛知の貿易会社に勤めた後に富山にUターン。
その時のコメントが
「山が恋しくて富山へ戻った。毎日山を見とらんと生きとられんのだわ」
現在は、妻の三知子さん、息子の敬吾さんと一緒に家族経営。2022年1月現在で、26年以上続けられている時点ですごすぎます…
立山サンダーバード|場所と営業時間
富山の名物コンビニ「立山サンダーバード」は、富山市中心部から立山駅に向かう途中の道にあります。
立山登山や称名滝に行く途中に寄りやすい立地。
そして立山サンダーバードから徒歩10分、車で1分ほどの場所には、立山あるぺん村があり、そこにはコンビニ界最強のセブンイレブンが…
へんぴすぎる場所ではなく、大通りにある点もマーケティング目線でいえば実はしっかりしてるポイントですね!
立山サンダーバードのお客さん
立山サンダーバードには、様々なメディアに取り上げられているからか想像以上にお客さんが来ています。
独自にマーケティングするため、どこから来たかシールを貼る地図が置いてあります。
しかもこの地図は3枚目なので、かなりのデータ量。こういったマーケティングが生き残りのポイントなのかもしれません!
店内には今まで来店した著名人のサインもかなり沢山飾ってあります!
普通は壁とかに貼るのに、陳列棚に並べてあるのが立山サンダーバード流。
時には商品よりもアピールを優先することは、上手く経営していく上で大切なのかもしれません!
視点を変えて、僕が知る限り立山サンダーバードのお客さんは次の4パターンに分類できます。
- 登山客
- ロードバイカー
- バイカー
- 面白いもの好き観光客
- 立山サンダーバードのファン
- スキー客
僕は富山市在住なので、立山にはほとんど来ません。立山サンダーバードに寄るときは、立山周辺の登山のときに限られます。
立山周辺には滅多に来ないので、たまに来たときくらいはどこにでもあるセブンイレブンではなくて、立山サンダーバードで何か珍しい物を買おうかなという思考になるのです。
僕が行ったときは、ロードバイクの集団(NHKのアナウンサーもいた)が立山サンダーバード前の休憩スポットで休んでいました。
バイクのツーリング客もよく見かけます。
おばちゃんと話していたら、昔は立山山麓スキー場へ行く人々で道が渋滞するほどだったらしいです。
関連記事
コンビニ 立山サンダーバードの差別化ポイント
近くに大手コンビニがあるにも関わらず生き残ってきた家族経営の伝説のコンビニ、立山サンダーバード。
数回立ち寄っただけで、一般的なチェーンのコンビニとは違うポイントがいくつも分かりました。
ポイントを絞って順番に紹介します!
人の温もりを感じる店内
まず立山サンダーバードと他のコンビニとの大きな違いは、店内のいたるところに「人間味」を感じられるところです。
値札に書かれたちょっとしたコメントや品揃えなど、いたるところで画一的なコンビニチェーン店では感じたことのない人間らしさを感じます。
「ちゃんと人間が運営している店なんだ」という感覚は、全てが効率化されてほとんど個性がないチェーン大手のコンビニでは味わえない感覚。
店員を呼ぶハンドベル
立山サンダーバードでは、手造りおにぎりやサンドイッチなどの多くの商品を自分たちで作っているので、レジにずっと店員がいられません。
そんなときは、レジに置いてあるハンドベルを鳴らせば店の奥から店員がやってきます。
昔の駄菓子屋のような懐かしさを感じて逆に良いんですよねw 多少待たされても嫌な気がしないのも立山サンダーバードだからだろう。
制服でなく、私服でおっちゃんが出てくるのも、また人間味があっていい!
完全手作りのおにぎり
手造りおにぎりコーナーには、富山県産100%コシヒカリの様々な種類のおにぎりが置いてあります。
鮭やタラコなどの一般的な具材のおにぎりもあるのですが、「いのしし」「ホタルイカ」「たけのこ」「わらび」「うど味噌」「とろろ昆布」など、チェーンのコンビニではまず味わえないような具材も揃っています。
何より特徴的なのは、店に置いてあるおにぎりがタオルで包んであること。これにより保温効果が得られます。
実際に、いのししオニギリを購入してみたが温かくて美味しい!
おにぎり1つ1つがちょっと不恰好で形が違うのも、手造り感があって良さを感じます。
手で握ったのがしっかりと分かるオニギリ。
中にはイノシシ肉が。
このおにぎりのおかげで、今回の登山は乗り切れまし。
独特のサンドイッチとネーミング
立山サンダーバードの名物商品の1つといえるサンドイッチ。
かなりユニークなサンドイッチが数10種類陳列してあります。1種類につき1~3個くらいしかないので、売り切れの味も多いことを頭に入れておきましょう!
「何でも挟むぞ、富山のサンド」のタイトルで掲載された朝日新聞のコピーも店内に飾ってあります。
どれだけユニークかは、商品名を見れば一目瞭然!
これまで試行錯誤を繰り返して、100種類以上のサンドイッチを作ってきたその行動力もすごいですよね…
富山ブラックコロッケ、富山ブラックチーズラーメン、冷やし中華、ラーメンサンド、きつねたぬきそば、天ぷら丼、わらびベーコン。
言っておくけど、これは全部サンドイッチの名前www
ほったっるっいっかっ♪菜の花チーズ、ホッタッルッイッカッ♪ブロッコリーチーズ、ここ立山町で作った立山コロッケ♪。
商品名に「っ」や「♪」まで登場するのが、立山サンダーバードw
「サーモンとほうれん草とチーズのタルタルソース入りエスカベッシュソース、な、長いな」、ぷりプリぷりプリっ♪エビカーツ、ヒレヒレヒレヒレー!ヒレカツ、ゆでたまごとんかつ、チーズとんかつ、とんかつ、ハムカツ。
ジョジョや北斗の拳ばりなヒレヒレヒレヒレー!なども登場。
「ゆでたまごとんかつ」とかが普通に見えてくるから不思議w
ソースえびカツ、タルタルカキフライ、タルタルフィッシュフライ、たこ焼き、アスパラベーコンカルパッチョ、明太ぽてともち、そばめし、カレーライス。
なんか、ここまで来るとネーミングに慣れてくるw
白玉ぜんざい、きのこたけのこチョコ、月へ行こう!、赤いイナズマ。
スイーツ系もハンパねー!
月へ行こう!とか、アポ◯からそこまで飛躍しちゃうあたり、かなりキテル!!w
独特の品揃え
立山サンダーバードの品揃えは、独特すぎて完全に個性丸出しです!
どん兵衛が東西で、汁の味が違うのはご存知でしょうか?
東西に加えて、北海道のどん兵衛まで揃えてあるコンビニなんてココ以外にありないと思いますw
カップラーメンの品揃えも、一般チェーンのコンビニでは見たこともないような全国各地の物が揃っています。
他では絶対になく、少し興味をそそられるような仕入れが生き残るポイント!
オリジナルグッズ
山小屋などでよくあるオリジナルTシャツ。
伝説のコンビニ 立山サンダーバードにもあります!
サンダーバードの名にちなんで、可愛らしい雷鳥が数匹歩いているデザインなど数種類。
サイズ感がちょっと独特らしく、買おうと思っていた友人はそこで離脱して買うのをやめていた。何かもっと分かりやすい表記があればいいんのかも…
Tシャツの柄などは、どんどん増えてますw
立山サンダーバードのオリジナルイラストの缶バッヂや額入りイラストの販売もしてます。
富山県在住ってステッカーも良い!
実はTシャツや缶バッジなどのイラストは、敬吾さんの手描き!
大手コンビニチェーンとは、違う土俵で戦うのが生き残るためのポイント!
個性的すぎる自動販売機
立山サンダーバードは、店内だけでなく外も独特です!
故障中でしたが、力水だけこれだけ並べた自動販売機見たことありますか??
謎の「?」のミステリーゾーン、こんなん確実に力水出てくるかと思ったら…
こんな仕掛けされたら、試しに買ってみたくなりますよねw お土産話として確実に盛り上がります!
しいたけすらも自前!
外に置いてある椎茸の原木。
立山サンダーバードは、しいたけすら自前で作って販売しますw
ここまでやるから富山唯一の伝説のコンビニなんでしょうね。
変わったドリンクありすぎ!
レジ向かいの棚に並ぶドリンク。
カレーサイダー、みかんコーラ、うなぎ、牛タンサイダーなどなど…
これ食べ物じゃなくて飲み物ですからねw
「何これ!?w」って思ってしまう品揃えも、SNS映えの時代には有効な戦略なのかもしれません!
昆布推し過ぎる富山土産!
立山サンダーバードの富山お土産の棚。
全部コンブ!www
昆布の消費量日本一位の富山県をこれでもかとアピールしてます!
地元の特徴を、変わった視点で切り取って商品に活かす。そういった思考も必要なのかもしれませんね。
イートイン休憩スポット
富山の名物コンビニ立山サンダーバードのイートインコーナーは、中小企業の打ち合わせ室のようだw
椅子も数種類あって、それがまた味があっていい。
夏の期間は、外にもイートインスペースが誕生する。
ロードバイクの人たちはここでくつろいでいた。汗をかいた服では店内で休みづらいので、外のこういうベンチはありがたい。
ロードバイクスタンド
立山の称名滝までのコースは、ロードバイクのクライマーがよく来る有名スポットです。
それを意識して、立山サンダーバードはロードバイク用のスタンドをしっかりと用意しています。
こういうちょっとした心遣いがありがたいし、ファンになるポイント!
まとめ
富山名物ともいえる伝説のコンビニ「立山サンダーバード」。
大手コンビニチェーンと同じ土俵で真っ向から戦うのではなく、大手にはマネの出来ない挑戦と差別化で多くのファンを獲得しています。
このような徹底的な差別化と、お客のためを思ったサービスの精神は、全ての分野で参考になりますよね?
特徴的な品揃えやスポットで、SNSで話題にさせるのも今時のマーケティング。生き残るお店には、必ず何かしらの理由がありますね。
富山県も都会の真似ばかりするのではなく、田舎の富山だからこその切り口で出来ることがもっとあるのではないでしょうか?これだけ立派な山と、綺麗な水、美味しい魚が味わえる県は、そこまでないはず。
「山を満喫して、せっかくだから美味いものを食べて帰ろう」と思っても、立山駅周辺には特に何も見つからず、「じゃ、いっか」って家に帰ることがほぼ…
観光客の立場だったらガッカリだし、富山の観光業としても非常にもったいないですよね。
コンビニ立山サンダーバードの柔軟な思考と、とにかく挑戦する姿勢は一見の価値アリ!
潰れて欲しくないお店でもあるので、立山登山や称名滝観光に行く際は、ちょっと立ち寄って珍しい商品を購入してみてください。
あわせて読みたい