セブンイレブン・ファミリーマート・ローソン・デイリーヤマザキ・ポプラなど、富山県には数多くのコンビニがある。そして、どんな大手であろうが潰れているのをよく見かける。
そんな中で大手チェーンでもなく、近くにセブンイレブンがあるにも関わらず、それでも生き残り続けているコンビニがある。
それが、立山サンダーバードだ!
北日本新聞、朝日新聞などのマスコミにも数度となく取り上げられている。北陸中日新聞では「富山遺産のコンビニ」として紹介されている。
熾烈なコンビニの生存競争の中でどうやって生き抜いてきたのか。コンビニ「立山サンダーバード」には、現代を生き抜くためのポイントのようなものがあるはず!
生存のための工夫・ネーミングや品揃えについて、気づいたことをまとめてみた。
コンビニ 立山サンダーバードの歴史
立山サンダーバードの開業は1996年。滑川出身の店主、伊藤敬一さんが55歳(現在77歳)の時に開店した。
北陸中日新聞を読んで初めて知ったのだが、この方、アメリカ留学後に愛知の貿易会社に勤めてたのに富山に帰ってきている。
その時のコメントが
「山が恋しくて富山へ戻った。毎日山を見とらんと生きとられんのだわ」
かっこ良すぎる...。
これを知ってますます好きになってしもた...。
立山サンダーバードの場所と営業時間
富山の名物コンビニ「立山サンダーバード」は、富山市中心部から立山駅に向かう途中の道にある。
立山登山や称名滝に行く途中に寄りやすい立地だ。
そして、立山サンダーバードから徒歩10分、車で1分ほどの場所には、立山あるぺん村があり、そこにはコンビニ界最強のセブンイレブンがある...。
立山サンダーバード
住所:富山県中新川郡立山町横江(立山)6-1
営業時間:5:00~20:00(冬季は6:00~20:00)
定休日:無休
TEL:076-483-3331
立山サンダーバードのお客さん
今まで数回立ち寄ったことがあるけど、様々なメディアに取り上げられているからだろうか、想像以上にお客さんがいる。
僕が知る限り、立山サンダーバードのお客さんは次の4パターンに分類できるのではないかと思う。
- 登山客
- ロードバイカー
- バイカー
- 面白いもの好き観光客
- 立山サンダーバードのファン
僕は富山市在住なので、立山にはほとんど来ない。立山サンダーバードに寄るときは、立山周辺の登山のときに限られる。
立山周辺には滅多に来ないので、たまに来たときくらいはどこにでもあるセブンイレブンではなくて、立山サンダーバードで何か珍しい物を買おうかなという思考になる。
今回寄ったのは、称名滝の近くの大日平登山のためだ。
僕が行ったときは、ロードバイクの集団(NHKのアナウンサーもいた)が立山サンダーバード前の休憩スポットで休んでいた。バイクのツーリング客もよく見かける。
コンビニ 立山サンダーバードの差別化ポイント
近くに大手コンビニがあるにも関わらず生き残ってきたコンビニ、立山サンダーバード。
数回立ち寄っただけで、一般的なチェーンのコンビニとは違うポイントがいくつも見つかった。
人の温もりを感じる店内
まず、立山サンダーバードと他のコンビニとの大きな違いは、店内のいたるところに「人」が感じられる所だ。
値札に書かれたちょっとしたコメントや、品揃えなど、いたるところで、画一的なチェーン店では感じたことのない人間らしさを感じる。
「ちゃんと人間が運営している店なんだ」という感覚は、全てが効率化されてほとんど個性がないチェーン大手のコンビニでは味わえない感覚だ。
店員を呼ぶハンドベル
立山サンダーバードでは、手造りおにぎりやサンドイッチなど、ほとんどを自分たちで作っているので、レジにずっと店員がいられない。
品物をレジに持っていったけど誰もいない時も結構あるw
そんなときは、レジに置いてあるハンドベルを鳴らせば、店の奥から店員がやってくる。昔の駄菓子屋のような懐かしさを感じる。多少待たされても嫌な気がしないのも立山サンダーバードだからだろう。
制服でなく、私服でおっちゃんが出てくるのも、また人間味があっていい。
完全手作りのおにぎり
手造りおにぎりコーナーには、富山県産100%コシヒカリの様々な種類のおにぎりが置いてある。
鮭やタラコなどの一般的な具材のおにぎりもあるが、「いのしし」「ホタルイカ」「たけのこ」「わらび」「うど味噌」「とろろ昆布」など、チェーンのコンビニではまず味わえないような具材も揃っている。
何より特徴的なのは、店に置いてあるおにぎりがタオルで包んであること。これにより保温効果が得られる。
実際に、いのししオニギリを購入してみたが、あったかくて美味い!
おにぎり1つ1つがちょっと不恰好で形が違うのも、手造り感があって良い。
手で握ったのがしっかりと分かる。
中にはイノシシ肉が。
このおにぎりのおかげで、今回の登山は乗り切れた。イノシシ肉はエネルギー補給にも向いてるんかも。
独特のサンドイッチとネーミング
立山サンダーバードの名物商品の1つともいえるサンドイッチ。
かなりユニークなサンドイッチが数10種類陳列してある。1種類につき1~3個くらいしかないので、売り切れの味も多い。
「何でも挟むぞ、富山のサンド」のタイトルで掲載された朝日新聞のコピーも店内に飾ってある。
どれだけユニークかは、商品名を見れば一目瞭然だw
富山ブラックコロッケ、富山ブラックチーズラーメン、冷やし中華、ラーメンサンド、きつねたぬきそば、天ぷら丼、わらびベーコン。
言っておくけど、これは全部サンドイッチの名前だからねw
ほったっるっいっかっ♪菜の花チーズ、ホッタッルッイッカッ♪ブロッコリーチーズ、ここ立山町で作った立山コロッケ♪。
商品名に「っ」や「♪」まで登場するw
「サーモンとほうれん草とチーズのタルタルソース入りエスカベッシュソース、な、長いな」、ぷりプリぷりプリっ♪エビカーツ、ヒレヒレヒレヒレー!ヒレカツ、ゆでたまごとんかつ、チーズとんかつ、とんかつ、ハムカツ。
「な、長いな」とか自分で言っちゃってるしw
ジョジョや北斗の拳ばりなヒレヒレヒレヒレー!なども登場。
「ゆでたまごとんかつ」とかが普通に見えてくるから不思議w
ソースえびカツ、タルタルカキフライ、タルタルフィッシュフライ、たこ焼き、アスパラベーコンカルパッチョ、明太ぽてともち、そばめし、カレーライス。
なんか、ここまで来るとネーミングに慣れてくるw
白玉ぜんざい、きのこたけのこチョコ、月へ行こう!、赤いイナズマ。
スイーツ系もハンパねー!
月へ行こう!とか、アポ◯からそこまで飛躍しちゃうあたり、かなりキテル!!w
独特の品揃え
カップラーメンの品揃えも、一般チェーンのコンビニでは見たこともないような、全国各地の物が揃っている。
鳥取ゴールドとかちょっと気になるな...。
オリジナルグッズ
山小屋などでよくあるオリジナルTシャツ。
名物コンビニ 立山サンダーバードにもあるw サンダーバードの名にちなんで、可愛らしい雷鳥が数匹歩いているデザインなど数種類。
サイズ感がちょっと独特らしく、買おうと思っていた友人はそこで離脱して買うのをやめていた。何かもっと分かりやすい表記があればいいんだけどな...。
立山サンダーバードのオリジナルイラストの缶バッヂや額入りイラストの販売もしている。
コンビニチェーンでは、まず真似できないw
イートイン休憩スポット
富山の名物コンビニ立山サンダーバードのイートインコーナーは、中小企業の打ち合わせ室のようだw
椅子も数種類あって、それがまた味があっていい。
夏の期間は、外にもイートインスペースが誕生する。
ロードバイクの人たちはここでくつろいでいた。汗をかいた服では店内で休みづらいので、外のこういうベンチはありがたい。
ロードバイクスタンド
立山の称名滝までのコースは、ロードバイクのクライマーがよく来る有名スポット。
それを意識して、立山サンダーバードはロードバイク用のスタンドをしっかりと用意している。こういうちょっとした心遣いがありがたいし、ファンになるポイントだ。
まとめ
富山名物ともいえるコンビニ「立山サンダーバード」。
大手コンビニチェーンと同じ土俵で真っ向から戦うのではなく、大手にはマネの出来ない挑戦と差別化で多くのファンを獲得している。このような徹底的な差別化と、お客のためを思ったサービスの精神は、全ての分野で参考になる。
富山県も都会の真似ばかりするのではなく、田舎の富山だからこその切り口で出来ることがもっとあるのではないだろうか?これだけ立派な山と、綺麗な水、美味しい魚が味わえる県は、そこまでないはずだ。
とりあえず立山登山の帰り道でいつも思うのは、立山駅周辺に名物となる飲食店がないこと。あるの?
「山を満喫して、せっかくだから美味いものを食べて帰ろう」と思っても、立山駅周辺には特に何も見つからず、「じゃ、いっか」って家に帰ることがほぼ...。
観光客の立場だったらガッカリだし、富山の観光業としても非常にもったいない。
コンビニ立山サンダーバードの柔軟な思考と、とにかく挑戦する姿勢は一見の価値アリ! 潰れて欲しくないお店でもあるので、立山登山や称名滝観光に行く際は、ちょっと立ち寄って珍しい商品を購入してみて☆