毎年10月1日に開催される富山県射水市の祭り「新湊曳山祭り」。
「イヤサー!イヤサー!」のかけ声や祭りの熱気、祭囃子などに心が踊るのは、おそらく小さい頃からの潜在意識に反応してるんだろうなw
個人的には富山県の祭りの中では、一番身近にある大好きなお祭り!
でもふと「なんでここまで好きなんだろう?」と客観的に考察してみることにした。
僕が知っている「新湊曳山祭」についての情報、見どころ・歴史・豆知識など、地元新湊の親戚に聞いたことなどをまとめてみた!
新湊曳山祭り|歴史と沿革
新湊曳山祭は、放生津八幡宮の秋季例大祭。
宵祭に海上より「御祖神、代々之祖達神」の御魂を迎え、次いでこの神霊を築山に降臨を仰いで祭事を行う。この築山が、車輪を付けて移動する曳山へと発展したと考えられている。
引用:射水曳山3WEEK
新湊曳山祭りの始まりは、慶安3年(1650)の古新町曳山車と云われているようだ。
つまり、今から370年ほど前から続いている伝統的な祭り。
北前船の時代、海運業で潤ったであろう放生津(当時の射水市新湊地区)の人々が、海の神様への行事として始まった祭りであるのだろう。
それだけの歴史があるからこそ、新湊の人々のDNAには「祭り」が備わっていると考えられる。
そして富山の曳山文化は「高岡の御車山祭」からきているという話も聞いたことがあるので、高岡からすぐ近くの新湊の曳山祭もその影響を受けているはず!
新湊曳山祭り|3つの基礎知識
新湊曳山祭りの観光客はそれほど多くないが、ちょいちょい外国人や県外からの観光客を見かける。
観光に来るのであれば、いくつかの基本知識と豆知識を知っておいた方がより楽しんで見られる。
新湊の曳山祭りを見に行く前に次の3つのことは抑えておこう!
- 日中(花山)と夜(提灯山)で雰囲気が180度変わる!
- 1年ごとに曳山巡行ルートが入れ替わる!
- 露店や屋台は、放生津八幡宮前の通りに集中!
日中(花山)と夜(提灯山)で雰囲気が180度変わる
新湊曳山祭りでは、昼と夜で曳山の姿がガラッと変わる!
18:00頃に提灯山への付け替えがあるのだが、軽トラで提灯を持ってきたり木枠を組んだりの作業があるので、長年やってるベテラン勢の手際と技が見られて面白い。
1年ごとに曳山巡行ルートが入れ替わる
新湊曳山祭りでは、毎年、街中と浜側の巡行ルートが入れ替わる。
これによって、提灯山が橋を渡るかどうかなどが変わるので見どころが変化するので毎年楽しめる☆
映画『人生の約束』であった「湊橋と水面に映る提灯山」を見ようと思ったら、提灯山が浜側を通る年を狙って観光に来なければいけない。
露店や屋台は、放生津八幡宮前の通りに集中
新湊曳山祭りでは、かなりの数の屋台や露店が出るのだが、そのほとんどは放生津八幡宮とその前の大通りに集中している。
放生津八幡宮の境内と前の通りには、写真のようにかなりの数の露店・屋台が集中!
早く移動したい場合は、この通りを歩くのはやめた方がいい。
新湊曳山祭り|5つの豆知識
新湊曳山祭りをただ見ただけでは分からない、ちょっとした豆知識。
- 曳山の管理は町内ごと、負担金もかなり高い
- 浜ー、田んぼーのかけ声
- 倉田商店のベビーカステラ
- 射水ケーブルネットワークで曳山の場所チェック
- 曳き手が身につける木のお守り
- 獅子舞と曳山祭の祭囃子は違う
曳山の管理は町内ごと、負担金もかなり高い
曳山の管理には、かなりお金がかかる。
話によれば町内会費以上に負担しないといけないようだ。
新湊の町内全てが山車を持っているわけではなく、自分の町内に曳山がない場合は曳山を曳くことができない。僕の祖父母の家も曳山がない町内なので、従兄弟は「友人からの助っ人要請を受けてようやく曳ける」と言っていた。
浜〜、田んぼ〜、のかけ声
新湊曳山祭りを見ていると「いやさー!いやさー!」のかけ声のほかに、「浜ー(はま〜)」「田んぼー(たんぼ〜)」というかけ声が聞こえてくる。
これは、曳山誘導係が曳き手に方向を指示するかけ声。
このかけ声のおかげで引き手達が山車を引っ張る力が同一方向に統一される。
意識しないとあまり聞こえないかもしれないが、どうやって誘導しているのかは「かけ声」に注目すればよく分かる。
曳山誘導係の「かけ声」に注目して新湊曳山祭りを見てみるのも一興だ☆
倉田商店のベビーカステラ
祭りでよく売られているベビーカステラ。
新湊の親戚が毎回買ってるのは、必ずと言っていいほど「倉田商店のベビーカステラ」。
新湊では大人気でいつも行列ができている。「富山市の山王祭」とかではそこまで行列にはなっていないので、おそらく新湊だけ。
従兄弟はいつも「ベビーカステラなら倉田商店やちゃ」と言ってるので、僕も買うなら倉田商店になってしまってる不思議。
射水ケーブルネットワークで曳山の場所をチェック
射水ケーブルネットワークでは、リアルタイムで新湊曳山祭りの様子を放送している。
曳山にずっと付いて歩き回るのはかなりハードなので、ここで曳山の場所をチェックしてから見に行くと無駄がない。
曳き手が身につける木のお守り
法被をきた曳き手達が首にぶら下げている木のお札。
あれは放生津八幡宮の木で作ったお守り。町内ごとに違った焼印が入っている。
なんかカッコイイので、僕も従兄弟から貰った☆
獅子舞と曳山祭の祭囃子は違う
従兄弟に言われて初めて気づいたんだけど、「5月にある新湊の獅子舞祭り」と「10月の曳山祭り」では祭囃子が違う。
従兄弟は獅子舞の笛を吹いたりしているのだが、曳山の笛の方が難しいらしい。
祭囃子に着目して新湊曳山祭を見てみても面白い!
新湊曳山祭り|見どころ5選
新湊曳山祭りの観光に来たなら行っておいた方がいい見どころを5つ挙げてみた。
観光の際は参考にしてみてほしい。
- 放生津八幡宮
- 放生津八幡宮前の屋台・露店
- 曳山を保管しておく巨大な御蔵
- 山車の車輪
- 内川の夜景
放生津八幡宮
新湊曳山祭は、放生津八幡宮の秋季例大祭。
お参りもかねて、放生津八幡宮には足を運ぶべきだろう。混んでるけどw
放生津八幡宮前の屋台・露店
祭りといえば屋台・露店。
放生津八幡宮の前の通りに集結している屋台は、見ておいて損はないだろう。
ここも混んでるけど…w
曳山を保管しておく巨大な御蔵
あのでっかい曳山を保管しておく御蔵。
あんな巨大な蔵は滅多に見られるものではないので、要チェックや☆
山車の車輪
曳山を見ていると自然と目がいく豪華な車輪。
町内によって豪華絢爛な装飾が施されている山車もあれば、そうでないのもある。ここも注目ポイント!
内川の夜景
曳山にのみ夢中になっていると見過ごしそうになるけど、内川の夜景はかなり綺麗。
川面に映るライトの揺らめきもなんだか落ち着く。
遠くで聞こえる祭り人のかけ声もすごくいい雰囲気を醸し出すのでデートにもオススメ。
さすが、映画『人生の約束』『ナラタージュ』『真白の恋』などのロケ地になった場所なだけある☆
新湊曳山祭りのときの地元新湊の人達
新湊曳山祭りのときの、新湊人の盛り上がりはすごい!
もし平日開催だとしても小中学校は休み。高校生も学校を休んで曳き手を担ったりしている。
各家庭でも赤飯やご馳走を用意している。
僕の親戚の家では必ずエビフライと刺身など豪華な食事が用意される。
曳山に関わる人は、散髪して(若者は2ブロックが多いw)、ハッピを着て、髪の毛をしっかりセットして気合い十分で曳山と繋がる。いやさー!いやさー!のかけ声とともに見るからにテンションが振り切れているのが分かる。
通りの家の前には、車椅子の高齢者が座って曳山が通っていくのを見物している姿もよく見かける。
僕のおばさんも80歳を超えているのに、曳山13基全てが通る場所にある友人の家に意気揚々と出かけていく。
「富山市八尾のおわら風の盆」のように何十万人という観光客がくるお祭りではないけど、地元密着型で地域住民にかなり元気を与えている祭りなのは、行けば実感できるはずだ。
その情熱がこのお祭りの魅力の一つなのだろう。
まとめ
毎年10月1日に開催される富山県射水市の「新湊曳山祭り」。
今回あらためて新湊曳山祭りの情報をまとめてみた。あまり意識してなかったけど、「自分はこのお祭りが好きなんだな」と気づいた。
「生まれ故郷の新湊のお祭りである」という影響がかなりデカイと思うけど、地元民達のワクワクや活気が見るからに感じられるのがやはりいい☆
完全にひいき目になってるけどw、富山県射水市の新湊曳山祭りは見にくる価値のある祭りだと思う。